分譲マンションには、「ひとつの建物を共同所有する複数の人々
が、その建物内で生活を営む」という特徴があります。また、物事
に対する考え方は人の数だけ存在します。そんなことから、戸建住
宅や賃貸住宅に比べて、分譲マンションではやっかいなトラブルが
発生する可能性が高いといえます。
1 トラブルの構図
トラブルは様々な主体の間で発生する可能性があります。
@管理組合内
A居住者間
B管理組合と居住者間
C管理組合と管理会社間
D管理組合と工事会社等間
E管理組合と近隣地域間
2 トラブルの内容
よくあるトラブルの内容は次のとおりです。
@生活上のトラブル
生活音、ペットの飼育、迷惑駐車・駐輪、ベランダ・バルコ
ニーの使い方、その他共用部分の私的利用、水漏れ、プライバ
シーの侵害などさまざまなものが想定されます。
A管理運営のトラブル
対応の悪い管理会社、管理費・修繕積立金の滞納、管理組合の
不適切な運営など、まさに分譲マンション特有のトラブルです。
B工事のトラブル
雨漏りなどの建築ミス、改修工事の施工不良など、建物に関す
るトラブルです。また、専有部分(住戸内)のリフォームに伴う
トラブルなどもあります。
C近隣とのトラブル
騒音、臭気、ごみ出し、路上駐車、日照障害、電波障害などが
あります。この場合、マンション側が被害者にも加害者にもな
る可能性があります。
3 トラブルへの対応
<トラブルの背景にある基本的な問題への認識をあらたに!>
トラブル発生の背景には、たいていの場合次のような基本的な
問題があります。
@観客的区分所有者(共有財産に無関心な区分所有者)
Aおまかせ主義(管理会社、施工会社、専門家まかせ)
B共有と専有の混同(共有と専有の区分の無理解)
Cよりどころなき管理運営(規約や使用細則等の未整備)
D閉鎖的な管理運営(説明責任や情報公開の不徹底)
E戦略なき運営(中長期の見通しなき場当たり的な対応)
個々のトラブルにそれぞれ対処していくことも大切ですが、そ
の背景にはこのような問題がある可能性があることを覚えておき
ましょう。
<よりどころとなる管理規約や使用細則の整備を!>
トラブルを防止する、あるいはトラブルに対処する際によりどころになるのは、そのマンションの管理規約や、管理規約に基づき定められた使用細則などのルールです。
マンション関係の法律や国が定めている標準管理規約などをふまえ、管理組合が主体となってその内容を確認し、必要があれば改正するなどして、トラブルに備えましょう。
<トラブルの中には訴訟に至るケースもあり!>
トラブルの中には、話がこじれたり又は交渉が決裂したりして、訴訟に至る場合もあります。しかし、裁判でどのような判決が出ても、たいていの場合、マンションの相隣関係やコミュニティに好ましくない影響を与えます。
トラブルに対処する際には、「訴訟を起こせばいい」などと考えず、裁判沙汰になるのをできるだけ避けるよう努めましょう。
4 快適に住み続けるためには
マンション生活は、共同生活のひとつの形です。トラブルを未然に防ぎ、快適に住み続けるためには、「共同生活の作法」の醸成と定着が必要です。
また、わかりあえる関係づくりのためのコミュニティを形成し、それを継続させていくこともマンション管理の一環です。
トラブルにはしなやかに
トラブルをエンジンに
快適なマンション暮らしの実現を |