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第3回:やっかいな専有部給水管の更新工事を管理組合で!

 マンションで水漏れ事故を起こしてしまうと、隣や下の階の住戸の壁紙
や家具を濡らしてしまうなど、周辺にも深刻な被害を与えます。それがき
っかけでマンション住民同士の関係が悪くなり、管理組合の運営に支障を
きたすようなことも珍しいことではありません。マンションの住戸は、そ
れぞれの所有者の責任で維持管理するのが原則ですが、水まわり設備につ
いてはマンションの共用財産としてとらえ、管理組合が主体的に維持管理
に取組むことが必要だと感じます。
 私が住んでいるマンションの管理組合では最近、各住戸内の給水管も含
めた給水設備の更新を行いました。私も中期修繕委員会の立場から関わっ
たこの工事で、工夫や配慮をした点について、ご紹介します。
 
 ●費用面の不安には
   まず、各所有者が新たに費用を負担することなく、従前の積立金のみ
  で各住戸内の給水管の交換を行えることを計算して確認し、工事の数年
  前に公表しました。このことは工事の事前PRとしても役立ちました。
 
 ●丁寧な説明をしました
   工事を実施する前に全所有者を対象にアンケート調査を行い、その結
  果をわかりやすいQ&A方式の資料にまとめ、配布しました。これによ
  り工事への理解が深まり、工事の実施を最終的に決める総会では、スム
  ーズに実施が承認されました。
   また、新しい給水管は床下に隠さない「露出配管」という方式にしたた
  め、「部屋の美観を損ねるのではないか」との不安が多く寄せられまし
  た。そこで、模型を管理事務所に展示したり、空き室を利用したモデル
  ルームを設置したりして、それほど目立たないことを理解してもらいま
  した。
 
 ●部屋の整理をサポートしました
   工事の前には、部屋の中の家具などを移動して作業スペースを作る必

  要がありますが、高齢者や1人暮らしの方にとっては大変な作業です。

  そこで、マンションにあるボランティア組織にお願いし、作業を手伝っ

  てもらえるようにしました。

   また、不要なゴミを自由に捨てられるように、管理組合で大きなコン

   テナを用意しました。費用はかかりましたが、大変好評でした。

  

 ●職人さんへの配慮は大事です

   住戸内での作業は大変気を遣うものです。下請けで作業を行う職人さ

  んに気持ちよく仕事をしてもらうため、管理組合と工事の元請業者との

  契約の中で、職人さんへの下請費用を記載しました。また、工事が終わ

  ったときには、元請業者から管理組合に職人さんへ代金を支払ったとい

  う証明を出してもらいました。

 

 ●工事不参加者への対応はどうする

   すでに自費で住戸内の給水管を交換していた方へは工事相当額を返金

  しました。また、どうしても住戸内工事に応じてもらえなかった方とは

  覚書を交わし、今後水漏れでトラブルが起きても管理組合は一切責任を

  負わないことを明確にしました。

  

 今振り返ってみると大変なことの連続でした。しかし、管理組合が住民

(組合員)の立場で物事を考えることの大切さを再認識することができ、良い

経験だったと思います。

   
 
           NPO匠リニューアル技術支援協会  代表理事  毛塚 宏
                                         (07/09/19)



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