埼玉県マンション居住支援ネットワーク

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第9回:「共用部分リフォームローン」利用者データから見えるもの

 私の勤務先である「独立行政法人住宅金融支援機構」は、平成19年4月
に「住宅金融公庫」から生まれ変わりました。このことはまだまだ皆様に認
知されておらず、お客様に電話連絡する時も、「昔の住宅金融公庫です」と
付け加えないと、わかってもらえないこともしばしばです。
 住宅金融支援機構の業務ですが、今は原則として利用者への直接融資を行
わず、民間金融機関が実施する長期固定金利住宅ローンへの支援が主になっ
ております。しかし、あまり知られていないのですが、「マンションの共用
部分リフォーム融資」という業務があります。これはマンションの管理組合
が行う大規模修繕などに対する融資で、機構で直接取り扱っております。今
回は、平成17年度にこの融資を御利用いただいた管理組合の皆様のデータ
からお話をしたいと思います。
 まずは、工事の時期・内容です。

  ●平均築年数

     融資利用時のマンションの平均築年数は23.7年です。この数字
   は年々大きくなる傾向にあります。
   ●修繕工事箇所    
    外壁、バルコニー、屋上、廊下が上位を占めています。自然環境の
   影響を強く受ける箇所を修繕するケースが多いようです。
 これらから推測すると、単に老朽化したところを直す「修繕工事」が多いよ
うに思われます。しかし、例えば築20年のマンションを単に修繕しても、
20年前の状態に近づくだけです。20年の間には、マンションの部材、施
工技術などは間違いなく進歩しているはずです。また新たな設備も必要かも
しれません。せっかく手間ひまを掛けて工事をするのですから、こうしたこ
とも考慮に入れて計画をたて、皆様のマンションの居住環境の改善や資産価
値の向上(バリューアップ)を図ってみてはいかがでしょうか。
 バリューアップ工事の例としては、次のようなものが考えられます。
  【耐震改修】
    現在の耐震基準は、1981年の建築基準法の改正により定められ
   たものです。それ以前の建物は古い耐震基準で建てられているので、
   耐震診断などにより弱い部分をチェックして補強しておいたほうがよ
   いでしょう。
  【バリアフリー・防犯対策】
    住民の高齢化等に配慮した共用部分のバリアフリー化、防犯性を高
   めるためのオートロックシステムの導入や防犯カメラの設置などがあ
   ります。
  【快適性の向上】
    居室内の快適性を向上させるサッシの複層ガラス化や断熱工事など
   があります。
  【利便性の向上】
    その他、IT設備や地上波デジタルの導入、駐車場・駐輪場の増設
   などがあります。
   
 次に、資金面のデータを見てみましょう。

  ●修繕積立金の平均額

    融資ご利用時の修繕積立金の平均額は一戸当たり約47万円となっ
   ています。
   ●資金の調達
      工事に必要な資金の半分以上は、修繕積立金(49%)、一時徴収
   金(4%)などにより、管理組合が用意しています。残りは旧住宅金
   融公庫からの借入金(46%)が充てられ、その平均額は2,160万
   円となっています。

  ●借入金の返済

    工事実施後は毎月借入金を返済していくことになります。約三分の
   一の管理組合が、修繕積立金(月額)の70%〜80%を借入金の返済
   に充てています。
 全体的に借入金が占める割合が高いのがわかります。なお、修繕積立金は
大規模修繕工事をきっかけに見直されることが多く、たいていの場合は工事
実施後に増額されるそうです。しかし、いきなり大幅に増額されるとなる
と、いろいろと問題もでてきます。資金計画は管理組合で早めに確認してお
いた方がよいでしょう。
 以上、皆さんが大規模修繕工事をする際の参考にしていただければ幸いで
す。
   
 ※マンション共用部分リフォーム融資については、住宅金融支援機構HP
  (http://www.jhf.go.jp/customer/kanri/reform/index.html
  をご覧ください。
  
 独立行政法人 住宅金融支援機構 首都圏支店事業審査グループ           
                                     推進役  鈴木了史
                                         (07/12/27)



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