| マンション建替えという同じ目標を持っているAマンションとBマンショ |
| ン、この2つのマンションで全く異なる現象が見られましたので、事例とし |
| てご紹介いたします。 |
| まず、かなり個性の強い人が多く居住しているAマンションです。このマ |
| ンションの理事長はひとりの方が長期にわたり務めています。大変指導力の |
| ある方ですが、やや強引な面もあり、意見の異なる理事とはすぐに感情的な |
| 対立を起こしてしまいます。それが原因で理事を辞める人間が出るなど、こ |
| れまでにもマンション内に多くの敵を作ってきました。このような態度は理 |
| 事会内部にとどまりません。建替え計画委員会の会合でも、本来パートナー |
| であるはずのディベロッパーに対して、高圧的・懐疑的な態度で接します。 |
| あまりにも一方的なので、建替えアドバイザーである私が諫めると、逆に、 |
| 「お前はディベロッパーの味方なのか」と追及される始末です。 |
| 一方で、この建替え問題をきっかけに、かねてから理事長に反感を持って |
| いた一部のマンション住民は「理事長憎し」の一点のみで大同団結し、現理事 |
| 長下での建替え決議に反対しはじめました。この「反理事長派」の行動も常軌 |
| を逸したものでした。どこから手に入れたのか、全区分所有者の住所録・電 |
| 話番号簿を使い、マンション内でのビラ攻勢・電話攻勢が始まりました。そ |
| の内容はほとんど誹謗中傷で、見るに耐えない、聞くに堪えないものばかり |
| です。 |
| このような活動は、どちらにもくみしない「中立派」だった人達にまで影 |
| 響を与えてしまったようです。マンションの建替え決議には、区分所有者数 |
| 及び議決権の五分の四以上の賛成が必要ですが、個別面談による意向把握時 |
| に約90%もいた賛成者は、実際に建替え決議が行われた時には約70%に |
| までに落ち込んでしまい、不成立に終わりました。 |
| 次に、Bマンションですが、ここには極めて常識的な方々が居住していま |
| す。理事長は、一般的な他のマンションと同様、輪番制で毎年変わります。 |
| しかし、建替えを本気で考えなくてはいけない時期ということで、総会での |
| 真剣な議論の結果、大変適性のある方が理事長に選任されました。建替え計 |
| 画委員会は住民であれば誰でも自由に出席できることになり、多いときには |
| 全住民の7割程度の参加があります。また、委員会で検討された内容はすぐ |
| に全体集会などにより住民に説明されます。 |
| 実は、Bマンションには高齢者が多いため、建替えの話が持ち上がったこ |
| ろには反対者がかなりいました。しかし、こうした地道で民主的な活動の甲 |
| 斐もあって、この原稿を書いている現時点では、ほんの数名が賛成の意思表 |
| 明をしていないだけという状況になっています。建替え決議は今年の5月を |
| 予定していますが、間違いなく90%をはるかに超えた高率で決議は成立す |
| るものと思われます。 |
| マンション内の人間関係でこれだけの差が出てしまうという対照的な事例 |
| が最近ありましたのでご紹介しました。 |
| 皆さんも普段から良好な人間関係を作るようご努力ください。 |
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| 社団法人再開発コーディネーター協会 |
| マンション建替え支援事業委員会委員長 |
| マンション建替えアドバイザー 堀口浩一 |
| (08/01/25) |
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