| 最近新聞などで、誰も見向きもしないような平凡な建造物に魅力を感じる |
| マニアの方々がいるという話を目にすることがあります。その中には、昔な |
| がらの団地型マンションに特段の興味を抱く「団地マニア」という方もいる |
| そうです。「団地マニア」の多くは幼いころから団地型マンションに住んで |
| いた経験をもち、各地の団地を訪ね歩いては、今はなき自分の「ふるさと」 |
| に似た痕跡を探し出し、懐かしんでいるとのことです。 |
| この人たちは、何の変哲もない団地型マンションのどこに、自分の「原風 |
| 景」を感じ取るのでしょうか?その答えについて、私は、「マンションの住 |
| 戸外の空間」にあると考えています。昔造られた団地型マンションは敷地に |
| 余裕があったため、児童公園や広い通路・樹木などが多くあります。また、 |
| 1970年代の前半には、マンションの建物を設計する際に形状や配置を工 |
| 夫して、住民同士がコミュニケーションを図れる空間を作り出したものも登 |
| 場しています。こういった場所で友人たちと遊び、隣人たちと挨拶を交わし |
| あった子供時代の記憶が、「団地マニア」達を「団地めぐり」に駆り立てて |
| いるのだと思います。 |
| 私たちの組織、社団法人埼玉県建築士事務所協会は『人の心に受け入れら |
| れ、安心と安全を満たす住まいを作る』ことを目指しています。そのために |
| は、マンションなどの共同住宅については「心地よい住戸外の空間の確保」 |
| を念頭において計画・設計する必要があると考えます。 |
| しかし、心地よい住戸外の空間を完成させるためには、そこに住む人の努 |
| 力も必要です。今皆さんのマンションで暮らしている子供たちが大人になっ |
| たときに、自分が育ったマンションを「懐かしいふるさと」として思い出せ |
| るような、良好なコミュニティを形成できるよう、日ごろから心がけてみて |
| ください。 |
| |
 |
| |
| 社団法人 埼玉県建築士事務所協会 副会長 栗田政明 |
| (08/03/05) |
|