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第17回:修繕積立金の不正支出を防ぐ
                  〜会計システムを見直しましょう〜

 皆さんのマンションでは、大規模修繕に備えて、莫大なお金を「修繕積立
金」として積み立てていると思います。その金額は、100戸程度の一般的
なマンションであれば、7年で1億円を超えるでしょう。このお金の管理・
保全を管理会社や特定の理事に任せっぱなしにしてはいませんか?
 修繕積立金の不正支出事件は埼玉県内でも現に発生しており、ほとんどの
場合、管理会社の担当者か管理組合の役員によって引き起こされています。
前者では、まとめて預かっている通帳と印鑑を使ってお金を着服し、検査の
時には残高証明書を偽造して発覚を防ぐという手口が多いです。後者は、印
鑑を預かっている理事長が、何らかの理由をつけて管理会社の担当者から通
帳を受け取り不正に及ぶ場合がほとんどです。その被害額は1件当たり数千
万円に及ぶということです。
 管理会社自体の内部管理のずさんさや、理事長個人の資質も事件の一因で
す。しかし最大の原因は、ある人物が単独で通帳と印鑑の両方を手に入れら
れる状態が存在したということです。不正支出を防ぐには、まず、この状態
を絶対に発生させてはいけません。通帳と印鑑は別々に保管するのはもちろ
ん、例えば、「ある一定額以上の出金に当たっては、管理会社に加えて複数の
理事が必ず事前の決裁に関与し、出金は印鑑を持つ理事長以外の者が行う」
といった、誰か1人の権限だけでは多額の出金ができない会計システムを確
立させましょう。
 また、会計の検査を行う際には残高証明書による確認しか行わない場合が
多いと思います。しかし前述の例のとおり、残高証明書は比較的偽造されや
すいものです。検査の時には必ず偽造されにくい通帳自体を確認するように
しましょう。
 更に、不正支出に対するけん制手段として、月次決算の導入も有効です。
ほとんどの管理組合では決算は1年間に1回だと思いますが、これを毎月末
に決算、さらには会計の検査を行うようにするのです。「毎月決算をするの
は難しい」というのであれば、まずは四半期に一度行う方法から始めてみる
のもいいでしょう。
 こういったことを行うのは確かに面倒です。また、管理会社に依頼するの
であれば、その分費用は余計にかかります。しかし、修繕積立金はマンショ
ンを長持ちさせるために欠かせない大切なお金です。使い込みをされた後で
は取り返しがつきません。一度皆さんのマンションの会計システムを確認さ
れてみてはいかがでしょうか。
    
 
    NPO日本住宅管理組合協議会 埼玉県支部長 柿沼英雄
                                       (08/04/18)



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