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第18回:個人情報保護と管理組合

 あるマンション居住者から「ある事情で管理費を滞納しているが、そのこ
とをガス会社の社員が知っていた。これは個人情報の漏洩ではないか。管理
会社は守秘義務を果していないのではないか」との相談を受けました。管理
会社とガス会社とは同系列の会社であるとのことです。
 個人情報保護法の定義によると、個人情報とは、「生存する個人に関する
情報で氏名、生年月日、住所等であってその情報で特定の個人を識別できる
もの」とされています。個人情報をデータベース化して保有し事業の用に供
している会社等は「個人情報取扱事業者」とされ、そのうち5000件以上
の個人情報を保有している事業者は、その情報の取扱いについて、個人情報
保護法による規制を受けます。
 一般的な管理会社であれば取り扱う個人情報は5000件以上あるでしょ
うから、管理会社が他者にその情報を漏らしたのであれば、個人情報保護法
に違反しているものと思われます。この管理会社は個人情報保護についての
認識が甘いと言わざるを得ません。
 ところで、管理組合は個人情報をどう取り扱えばよいのでしょうか?
5000件以上の個人情報を保有する管理組合というのはあまりないでしょ
うから、ほとんどの管理組合は個人情報保護法による規制の対象とはなりま
せん。しかし、個人情報保護の重要性を考えれば、個人情報保護法の内容を
よく理解し、それに準じた対応をしておくべきでしょう。よく、「個人情報
だから」といって管理組合員名簿や居住者名簿作成への協力を拒否する方が
いるという話を耳にします。厳密に言えば「個人情報だから教えない」とい
う理屈は成り立たないのですが、日ごろから個人情報をきちんと管理してお
けば、こういった方を説得する際にも役に立ちます。
 なお、管理組合員名簿や居住者名簿は、日常の管理組合運営はもちろん、
災害など非常時の対応にも欠かすことのできない重要なものです。氏名や電
話番号などを他者に伝えるのに抵抗感があるという気持ちはわからなくはな
いですが、個人情報だからというだけで協力しないということのないように
したいものです。
 また、個人情報との関連で、管理組合を運営していく上でよく問題になる
のが、管理費等の滞納者の氏名の公表です。個人情報保護法の規定のみを考
えると、氏名の公表は可能であるとも考えられるのですが、プライバシーの
侵害だとして、逆に管理組合が訴えられるケースもあります。慎重な対応が
必要でしょう。
    
 
       首都圏マンション管理士会 埼玉県支部幹事  上小薗 忠
                                       (08/05/02)



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