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第19回:輪番制役員の就任拒否

 マンション管理に対するマンション居住者の意識は、近年、二極化されつ
つあるといわれます。居住者が管理に高い関心を持つマンションでは、すべ
て管理会社まかせにするのではなく、自主的に管理組合を運営していこうと
いう機運が高まってきています。しかし、皆の関心が高いがゆえに意見の違
いが生じ、管理組合の運営がスムーズに行かなくなるといったことも散見さ
れます。また一方で、居住者が管理に無関心で困っているという管理組合も
依然として少なくありません。どちらのケースでも、理事長をはじめとする
管理組合の役員の皆様はさぞかし苦労されていることと思います。
 管理組合の役員には義務や責任が伴います。また、日常的な業務はもちろ
ん、マンションで発生する様々な問題の解決にも取り組まなければなりませ
ん。時間もかかりますし、「楽しい」という人はあまりいないでしょう。最
近増えているのが、輪番制で選出されるはずの人が役員への就任を拒否する
という問題です。これにはどう対処したらよいのでしょうか?
 まずよく言われるのが、「管理規約や細則に輪番制であることを定めてお
けばいい」という意見です。法令などに違反しない限り、管理規約や細則を
変更することはもちろん可能です。しかし、かたくなに「それでも就任した
くない」という人に対しての効果はほとんどないでしょう。また、「罰金な
ど、就任拒否へのペナルティを科せばいい」という意見もあります。しかし
これも、役員就任を承諾すると民法をはじめとする様々な法的な義務が課さ
れることを考えれば、ペナルティなどによってその承諾を強制することが本
当に適切であるかどうかは疑問です。また、その規定を逆手にとって、「お
金を払えば面倒な役員をやらなくて済む」という人が続出する可能性もあり
ます。
 そもそも、やる気や責任感が全くない人を無理やり役員にしてしまったら
どうなるでしょうか?渋々でも何らかの業務をやってくれればまだいいほう
で、下手をすれば理事会にも出席せず、役員としての責務を放棄してしまう
ということも考えられます。そんなことになれば他の役員もやる気を失いま
すし、管理組合運営に多大な支障が出てくるでしょう。そう考えれば、どん
な方法であれ、「無理やり」就任させるのは得策とは思えません。時間はか
かるかもしれませんが、管理組合役員の役割や業務の大切さを理解してもら
えるよう、地道に努力していくべきでしょう。
 また、事情により役員としての業務をこなすのが本当に困難だというので
あれば、管理組合の分科会や委員会のメンバーに就任してもらうなど、何ら
かの形で管理組合活動に貢献してもらうのもひとつの方法です。
 管理組合の役員の業務が大変なのは事実です。しかし、自分たちの財産で
あるマンションを守り、安全で安心な生活を続けるためには、平等の原則の
下に皆で協力して乗り越えるしかないのです。また、何か問題が起こった場
合も、役員や居住者同士で「責め合う」のでは何の解決にもなりません。問
題の解決に向けて前向きに取組んでいけるような良好なコミュニティを築け
るよう、普段から心掛けましょう。
    
 
                      NPO埼管ネット 会長 佐々木一
                                       (08/05/15)



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