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第25回:最小投資の最大効果

 我々の生活しているこの地球も、実は生きているのだ・・・。そんな感想
を持たざるを得ないような地震情報が、今年もまた、国内外から寄せられて
います。言うまでもなく、本年6月の岩手・宮城内陸地震(M7.2)、その少し
前の中国四川省地震(M7.9)です。特に中国四川省地震では、被災した建物の
生々しい姿が繰り返しテレビで流され、地震被害の恐ろしさを強く印象付け
られました。
 多分その影響もあったのでしょうか、各自治体においては、国の後押しも
あって、建物の耐震化等の対策が急速に進められています。特に、学校校舎
の耐震診断・耐震補強などは最優先事業として取り組まれているようです。
 しかし、民間施設に目を向けますと、残念ながら、いまだに大きな進展は
見られません。なぜ、民間施設の耐震化は進展しないのでしょうか?この問
いに対する答えの一つは、やはり「かなりのお金がかかるから」であると思
います。これに関して、手元に一つの情報がありますのでご紹介します。
 

独立行政法人都市再生機構では、阪神淡路大震災以降、機構保有の共同住

宅(いわゆる団地)の耐震診断を全国的に実施しました。その結果得られた
耐震性能の評価が、実際無被害であった建物でも補強が必要となるなど、地
震被害に比較して低い数値となっていました。そこで工学院大学教授廣澤雅
也博士を委員長に学識経験者を多く集めた検討委員会を設け、数年をかけて
「機構耐震診断基準(仮称)」という基準案が平成19年にまとめられました。
これは、現在使用されている耐震診断基準の計算式に集合住宅用の新しい計
算方法を取り入れて、評価結果が地震被害の実情に整合するように改良して
います。そうすることで、結果的に集合住宅建物の耐震補強工事費用の大幅
な低減を可能にしています。(UR都市機構「機構中層ラーメン構造住棟の
耐震安全性評価指針(案)・同解説」より)
 
 私たち社団法人埼玉建築設計監理協会では「既存建築物耐震性能判定委員
会」を組織しており、先の廣澤先生にその委員長をお願いしています。すで
に、この新しい診断方法を採用した耐震判定を数例実施し、集合住宅の耐震
補強工事費用の縮減に大きな実績を挙げています。ご関心がある方は、一度
当協会にお問合せください。
 また、戸建住宅や集合住宅の耐震診断・耐震補強について、新しい助成金
制度を設けた市町村も増えてきています。制度の内容はいろいろですので、
お住まいの市町村に相談してみることをお勧めします。
 耐震診断・耐震補強設計等を行う際は、最小投資で最大効果を上げられる
よう、管理組合の皆さんでよく検討してみてください。
    
 
              社団法人埼玉建築設計監理協会 桑子・神田
                                       (08/08/27)



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