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第26回:建築相談会事例報告

 私が所属する社団法人埼玉建築士会では、経験豊かな建築士が建築に関す
る問題にお答えする無料相談会、「住まいの安全・安心総点検」を実施して
います。建物の耐震性やバリアフリー、リフォーム、契約トラブルや欠陥住
宅問題など、様々な相談が寄せられています。この中から、最近あったマン
ション居住者の方からの相談とアドバイスの内容についてご報告させていた
だきます。
 
Q 老齢期となり、マンションの出入口の段差が危険と感じるようになって
 きたので、スロープを設置したいと考えています。私が費用を負担しなく
 てはならないでしょうか。
 
A 出入口のバリアフリー化はマンション全体に関わる内容であり、個人の
 一存で決められるものではありません。管理組合で意思決定をするととも
 に、管理組合が費用を負担する性格のものです。まずは同じような思いを
 もつ方や賛同する方と共同して、管理組合に提案されることを勧めます。
   なお、スロープだけでなく、バリアフリー対策として、手摺り・誘導ブロック・点字
  サインなども同時に計画・施工したほうが、合理的で効率的だと思います。
  また、出入口はマンションの「顔」です。レイアウトやデザインなども
 充分検討しないと後々に問題を残すこともあります。注意してください。
 
Q マンションの外壁が劣化してしまったので、塗り替えたいと考えていま
 す。しかし、一部の人たちは、「まだ大丈夫だ」として反対しています。
 どうしたらよいでしょうか。
 
A まず塗替えが必要か否かを確認する必要があります。専門家による劣化
 診断を受けてみてください。その結果、塗替えが必要であるという結論に
 達したら、それを住民の皆さんに示して、納得してもらえるよう努めま
 しょう。
  住民の意見が割れてしまっている場合は、特に慎重な対応が必要です。
 現状や工事の必要性をわかりやすく説明するなどして住民の皆さんの意識
 を高め、塗替えについてコンセンサスを得られるよう、時間をかけて丁寧
 に取り組みましょう。
  なお、マンションの外壁の塗替えは、外壁の保護(建物としての保全)の
 他にも、美観を保ち、財産的価値を維持する上でも重要です。定期的な調
 査と修繕をお勧めします。
 いずれも、入居後かなりの年数が経過し、生活スタイルや建物の状況が変
わってきた事による相談でした。マンションの共用部分の問題に対応するに
は、管理組合としての意思決定が必要となります。日頃から管理組合でよく
話し合い、より多くの人が賛成できる修繕ができるよう心がけてください。
    
 
              社団法人 埼玉建築士会 副会長 塩川通正
                                       (08/09/19)



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