| 一般的に屋上防水には「露出防水」と「保護コンクリート防水」とがあり |
| ます。 |
| 「露出防水」とは、防水層であるアスファルト層又はシート層が、保護塗 |
| 料が塗られただけで、言葉のとおり露出しているものです。メンテナンス時 |
| くらいしか立ち入らず、普段は閉切りになっているような屋上の多くはこの |
| 仕様になっています。 |
 |
| 【露出防水】 |
| |
| 「保護コンクリート防水」とは、防水層の上に「押さえコンクリート」を |
| 敷設したもので、このコンクリートにより防水層を保護しています。ルーフ |
| バルコニーのように、普段から使用される屋上によく使われています。 |
 |
| 【保護防水】 |
| |
| 長期修繕計画を作成する際には、一般的には「露出防水」の修繕周期(耐用 |
| 年数)は「12年」としますが、「保護コンクリート防水」の場合は「24 |
| 年」と考えます。つまり、「保護コンクリート防水」は「露出防水」より約 |
| 2倍長持ちするわけです。 |
| ところが現実には、長持ちするはずの「保護コンクリート防水」を、築後 |
| 12年程度に行われる1回目の大規模修繕工事の際に、全面改修してしまう |
| ケースが良く見られます。おそらく「保証期間が過ぎたから」とか「押さえ |
| コンクリートにひびが入ったから」といった理由でしょう。しかし、コンク |
| リート層の下には防水層があるわけですから、実際のところ、押さえコンク |
| リートにひびが入ったくらいでは何の問題もないのです。現に雨漏り事故で |
| もあったのであれば話は別ですが、欠陥もないのに耐用年数の半分程度で取 |
| 替えてしまっているとしたら、非常にもったいない話です。 |
| もし、あなたのマンションの屋上防水が「保護コンクリート防水」を採用 |
| していて、第1回目の大規模修繕工事が迫っているという状況の場合には、 |
| 屋上防水の全面改修を行うべきかよく考えてみてください。もし、次の条件 |
| をすべて満たしているならば、全面改修の必要はないという前提で検討され |
| てはいかがでしょうか。 |
| |
| ●現在及び過去に雨漏り事故が発生していないこと |
| 管理組合で把握されていない場合もあるので居住者へのアンケート調 |
| 査で確認すると良いでしょう。 |
| ●事故が起きた時に、作業員用の足場を設置せずに防水層の全面改修 |
| 工事ができること |
| ●作業員が、専有部分を通ることなく、直接屋上やルーフバルコニー |
| へ行けること |
| 専有部分を通って防水層の全面改修を行うことは不可能です。 |
| |
| ただし、万が一保証期間を過ぎて雨漏り等の事故が発生し、最上階の所有 |
| 者に損害を与えてしまった場合は、管理組合が弁償しなければなりません。 |
| また、このようなケースは一般的な損害保険では補償対象外とされます。全 |
| 面改修工事をするかしないかを最終的に判断する際には、専門家に調査を依 |
| 頼した方が良いでしょう。 |
| また、最近では、30年という長期間保証をする屋上防水工法も出てきて |
| います。全面改修工事を行うことになった場合は、よく調べて検討してみて |
| ください。 |
| |
 |
| |
| NPO埼管ネット 理事 鳥海順一 |
| (08/09/30) |
|