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TOP : 第22回 マンションは何年もつか?
 投稿日時: 2012-03-19 (1030 ヒット)

 マンションは何年もつか?

~「超」長期修繕計画をモデルケースで作成~
「長期修繕計画の作成期間」
 
 国土交通省発表の「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン」によれば計画期間の設定は新築マンションの場合は30年以上とし、既存のマンションの場合は25年以上としています。しかし今回は、マションの寿命を70年と仮定した場合の超長期修繕計画を作成してみました。 

 修繕周期が30年を超える工事項目は長期修繕計画に推定修繕工事費を計上していない場合があります。例えば建具の取り換え・給排水管の取り換え・エレベーターの取り換え等があります。これらは、70年と仮定したマンションの生涯寿命の中間期に一回行う修繕工事となります。(モデルマンションは戸数70戸・築20年、平均専有面積75㎡を想定しました。)
 
「ケースA」
 
 70年の累積工事費は5億3800万円となり、計画期間(月数)で除し、さらに住戸数で除した金額は、9150円となりました。これは約120円/専有面積・戸・月となります。
 
 しかし、この積立金で計画すると築30年の設備の更新時から資金が不足します。「同ガイドライン」によれば、「修繕積立金の累計額が推定修繕工事金額を一時的に下回る時は、その年度に一時金の負担、借入等の対策をとる」とありますが、現実は一時金の徴収は困難です。
 
 また、借り入れも大幅に不足した場合は返済途中でまた借入の必要が出てきます。利子もかなりの負担となります。最後の築70年の時点では帳尻が合うのですが、無理な計画としか言いようがありません。
 
「ケースB」
 
 そこで、築15年目に200円/専有面積・戸・月に値上げしたとします。この金額は戸当たり月に15000円となり、一気に6000円の値上げになります。この場合には築35年前後に発生する工事も対応することができます。そのまま築70年まで積み立てていくと修繕積立金が2億7千万円残ることとなります。
 
「ケースC」
 
 今度はその中間の160円/専有面積・戸・月でシュミレーションしてみます。やはり、築35年で資金が不足しますが、ここでリフォームローンを組むことにします。借入金7200万円で10年返済とすると、年間の返済額は830万円ほどになります。この場合の年間の修繕積立金は1000万円のため返済額を差し引くと実質170万円の積立となります。
 そしてまた、築48年の第四回大規模修繕工事に資金不足となり、3300万円を借入することになります。そして築70年の時点で1億3千万円残ります。
 
「まとめ」
 
 今回、超・長期修繕計画を作成してみてわかったことは、
①「ガイドライン」が示している修繕積立金の設定方法は理論上その通りでも現実的ではないので十分シュミレーションする必要があります。
 
②築30年から40年の間に建具やエレベーターの交換・給排水管の交換が推定修繕工事費として考慮されていない場合、長期修繕計画はそれらを加味して見直す必要があります。
 
③リフォームローンを検討する場合、ケースAでは返済ができずに借入不可能であること。ケースCでも十分な検討が必要であったこと。これらを考えると、安易に借入をして資金不足を補う方法は借入金が大きくなると返済できなくなる場合があることを知っておくべきです。
 
④築60年を超えると修繕項目がなくなります。それでも修繕積立金を積み立てる必要があるのか。建替えを考えなければ建物の解体費用を残しておけば、その時点で積み立てを止めることも可能であると思われます。
 
⑤マンションが寿命を迎える時、建物はどうなるか想像してみましょう。野村総合研究所の発表では30年後、日本の空き家率が40%を超えると推計しています。よほど条件が整わない限り建替えは難しいのではないでしょうか。
 
「再生手法で長寿命化」
 
 修繕を続けて延命を図っていっても社会的な要求に満たされない住宅であれば住みづらく愛着も無くなります。
 
 生活空間の改善・付属施設の改善(駐車場や屋外環境))・耐震性の改善・バリアフリーの改善・防犯性能の改善・省エネ性能の改善・情報通信性能の改善等を同時に行い、住環境の再生を進めていかないと建物は残っても住む人ないなくなりスラム化してゆきます。これらを進めていくことが長寿命化のもう一つの条件となります。
 
NPO法人 埼管ネット
理事 鳥海 順一
 


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