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TOP : 第21回 長期修繕計画における資金不足の対応方策 
 投稿日時: 2012-03-07 (1107 ヒット)

 長期修繕計画における資金不足の対応方策

 
1.こんなことはありませんか?
 
 ある日管理会社から理事会に「長期修繕計画書の予定で修繕積立金を計算すると現在の、1.7倍にしないと工事資金が不足します。マンションの維持管理を適正に行い、皆さんのマンションの資産価値確保のため、定時総会で承認いただくよう理事会でご検討してください」との報告がありました。

 
 さて、あなたのマンションの理事会だったら・・・・・
 
 「さすが、マンション管理のプロだ。理事会で了解しますので総会で提案してください。」
 そして、総会で異議なく可決・・・・・・
 
 
 もしこんな運営状況だったら、あなたのマンションは、間違いなく将来、もっとお金は不足し、トラブル増加の可能性は増大します。なぜならば!!
 
 多数の長期修繕計画書を見てきた経験から
1)そのマンションに無い設備の修繕工事が記載されている。
2)分譲時の計画のままで、今までの修繕が反映されていない。
3)大規模修繕工事の実績が反映されていない。
 こんな事例はよく見かけます。
 
 
 なぜ、この様な状態ではお金はなくなるのでしょうか?
 それは、お金に余裕が出ると無駄・余分・不適切なものにお金をかけることが多くなり、結果としてどぶに銭を捨てているようなものだからです。
 
 
 そのようなことにならないために、長期修繕計画について、マンション管理士などの専門家を活用して確認することをお勧めいたします。
 
 
2.長期修繕計画の対応手順
 
 1)確認組織の準備
マンションの管理組合において、長期修繕計画の確認作業を行うのは理事会となります。しかしながら、理事会においては、下記の理由からその対応が困難なことが多い状況のところがほとんどかと思います。
 
①毎月の業務等で手いっぱい。
②輪番制の理事で出来るだけ業務を少なくしたい。
③理事の任期が1年で十分な検討ができない。(消化不良による悪化)
④マンション管理及び管理組合運営の専門的知識がない。
 
 そのため、理事会においては、「専門家等を活用」し、「簡単な事前調査」を行い、「長期修繕計画の組合員説明会を実施」し、組合員の意見を踏まえて、「専門委員会(長期修繕計画検討委員会)の設置に向けて、委員を募集」し、理事会の諮問機関として、その検討を委託する方式で進めることが効率的かつ効果的です。
 
 なお、この説明会において組合員から、長期修繕計画の見直しの必要性が無いとの意見が多い場合には、もちろん委員会の設置の必要はなく、その時点で、検討終了です。
 
 見直しの必要性が無いとの結論は、
①まれに見る特別優秀な管理会社に委託している。
②理事会のほぼ全員がマンション管理及び管理組合運営の知識・経験が豊富で、実行力があり、管理組合全体の利益というものを正確かつ適正に判断でき、ほとんど全部の組合員から信頼されている。
 こういった場合以外には、管理組合の方針・運営が、前段にて記載した「どぶ銭」状態になる可能性が高いと思いますので、皆様におかれましては、そのマンションを持ち続けるということを良く検討する必要があるかもしれません。
 
 
 また、委員の募集にあたり、見直しの必要性を訴える方を含め、特に管理組合役員経験者に対して、事前に委員への就任を打診する等の下準備を行う方が円滑に進められます。
 
 さらに、委員会運営については、修繕積立金の収支のみではなく、管理組合全体の資金繰りに関してもあわせて検討を依頼しないと効果は小さくなります。(※後述の検討内容にて詳細は説明)
 
 
 2)委員会の運営
 
 委員会の運営については、やはり下記の観点から専門家を活用することをお勧めいたします。
①工事等の検討については、国土交通省監修の「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン」をベースにした一級建築士等の専門家の見解がその適性判断に有効です。
②委員会運営の方法次第では、誤解・疑念が生じることがありますので、その運営に十分な配慮ができるマンション管理士等の専門家の活用が有効です。
③組合員個々における意識差・利害関係等を上手に調整するためにもマンション管理士等専門家の活用が有効です。
 
 
 3)検討内容
[検討すべき内容の大枠を確認し、誰がどの作業を行うのかを決定します]
 
①予定されている工事の内容・工事周期・工事金額の査定
②管理費用全体につき「仕様(レベル)を変えず」に減額が可能か精査
 ※査定・精査の目標値の一つとして、次回又は次次回の大規模修繕工事における不足金額が無くなる(0円となる)ところを目標と考えて検討を進めると効率的です。(ただし、工事内容にもよりますが、築40年ごろの不足金額については、不足0円に合わせると過大な負担になる場合がありますので御注意ください)
 
 4)進め方
①工事内容に関して、工事目的物を確認し、専門家の支援を受けて、工事周期及び工事予定見込み金額を算定。(現在の価格に物価上昇などを加味してください)②管理費用に関しては、現在の仕様書を確認の上、他社より同一仕様の見積書を取得。
(同時に各社から提案仕様見積書を徴収すると効果的です。)
③委員会として、工事査定(必要に応じて工事内容等を変更)及び管理費用精査(業務仕様は原則変更しない)の結果、最良と思われる提案を理事会に報告し、理事会に対して組合員説明会の開催を依頼する。(説明会開催の運営は、理事会・委員会どちらでも可)
④管理費用については、委員会の検討により仕様の変更プランを作成。
⑤説明会での組合員の反応により
 ア.今回の委員会が理事会に提出した報告結果で十分であるとの意見が多い場合
  →これを結論とし検討終了→⑧へ(管理費用等の仕様変更がない場合に、
   長期修繕計画の承認のみが対象になるため、定時総会での承認でも可)
 イ.仕様変更プラン等を含め追加検討を望む意見が多い場合
  →仕様変更を含め再検討
⑥再検討の作業を進めていく上では、業務仕様変更等により、金銭面のみでなく、生活環境等が変更になる可能性が高いため、できるだけ広報・アンケート等を行いながら検討を進める。
⑦検討結果を理事会に報告し、資金の余分な流出を早期に対応するため臨時総会の招集を決議。
⑧臨時総会により長期修繕計画及び管理費用等の変更などを承認可決し、変更を実行。
 
3.その他留意事項
1)資金繰りを検討するうえで、大規模修繕等の資金ボトム時に短期的に資金不足が生じる場合には、リース会社等の借入により、修繕積立金の値上げ幅を縮小することもできます。
2)見直しの進め方において、その都度出来るだけ組合員に情報提供を行い、理事会又は委員会の独断で進めているイメージをもたれないよう注意する必要があります。
 
4.まとめ
 
 管理組合における資金管理は最も重要なポジションです。
 将来資金不足が生じて困るのは、マンション所有者である組合員であり、管理会社や委託事業者ではありません。自分たちの財産をしっかり維持管理し、財産価値を守りより良い生活環境で、過ごしていくために、皆さんの管理組合の運営内容をご確認ください。
 自分たちだけでは不安?!
 そんな皆さんのために、国家資格者としてのマンション管理組合運営のプロである「マンション管理士」制度があります。是非専門家を活用して、皆様の大事なマンションを守っていただければと思います。
 
一般社団法人埼玉県マンション管理士会
マンション管理士 伊藤茂忠
 


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