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マンション問題研究室

 マンション問題について、様々な見方から切り込んでいます。解決方法は複数あることがわかります。
 内容には、執筆時の法令や情報に基づいたものが含まれている可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。 
 掲載されている本文及び資料は各会員団体が作成したものですので、詳細については各会員団体に直接お問合せください。

 

 投稿日時: 2021-12-14 (150 ヒット)
【設問】
 高経年化マンションにおいてリノベーションによる住戸のリフォームにより、住みやすい住戸に再生を図る動きがあります。ただこの結果、階下の住戸との騒音トラブルが発生しているようです。管理組合としてリノベーションの申請があった場合どのようなことに気を付ければよいのですか。また、トラブルが起きた場合はどう対応すればよいのでしょうか。

【回答団体】
・一般社団法人埼玉県マンション管理士会
・NPO日本住宅管理組合連合会

【一般社団法人埼玉県マンション管理士会】
 1)最近住戸の間取りを区分所有者の意向に沿ったリノベーションと言われる工事方法を行った住戸に、入居してくるマンション購入者が見受けられる。従来からのシステムキッチンやユニットバスの入れ替えあるいは壁紙の貼り替えなどの設備の変更や更新などの程度の工事については「リフォーム」工事と言われてきたが、一方、間取り、水道管、排水管、冷暖房換気設備の変更など間取りから内装・配管などすべてをゼロから考え直し、これから住む人たちの暮らしに合わせてつくり替えることで機能を刷新し、新しい価値を生み出す改修をリノベーションと呼ばれ、「フルスケルトン」といって全てを解体し、躯体構造だけにして改修を行うケースも珍しくないと言われています。
2)最近の新たな資産価値の向上のためのリノベーション工事が広がっていることを踏まえ、平成28年マンション標準管理規約の「専有部分の修繕に関する規定」について平成23年標準管理規約までの条項の改正が行われた。平成23年標準管理規約までの規約では「専有部分の修繕等をおこなおうとする区分所有者は予め理事長に工事の申請し、承認を得なければならない。」とし、すべての専有部分の修繕工事を申請の対象としていたが、「共用部分及び他の専有部分に影響を与える恐れのあるものを行おうとするときは」理事長に工事の申請することに規約は変更された。
3)そして、「区分所有者が行う工事に対する制限の考え方」として、専有部分の修繕や共用部分の窓ガラスなどの開口部の改良工事の一般的なルールを表にして別添資料として掲載している。(後段別掲)専有部分の管・配線、設備、天井・床・壁及び共用部分の窓、玄関、面格子又は躯体、梁・柱・床スラブという部位ごとに提示している。この一般ルールをマンションそれぞれの特有の条件に加味し、決めてゆく必要があるだろう。このような工事の制限に関する基準を明示することにより、区分所有者も専有部分の改修工事の限界を知ること、またリノベーション工事の申請の承認の可否を理事会として示すことができる。
4)平成28年標準管理規約改正においても、平成16年標準管理規約から維持されてきた「承認した専有部分の修繕工事の立ち入り、必要な調査」をすることがリノベーション工事では必要である。例えば、ファミリー向けの3LDKの間取りをひとり暮らしに適した1LDKなど自由で大幅な改修することは可能であるが、自由に間取りが作れるとはいえ壁式構造のマンションでは壁が建物を支える躯体であるので、この壁を取り外しての間取りの変更はできない制約がある。このような工事を実施させないためにも、予めの申請と工事の立ち入り調査は不可欠となるだろう。
5)平成28年標準管理規約で「専有部分の修繕」に関する改正で新たに加えられた条項がある。
「工事後に共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、工事を発注した区分所有者の責任と負担で必要な措置を取らねばならない」とした。この工事の結果をめぐる紛争で、申請を承認した理事長にも責任があるかのような主張があるが、これにより、この工事の責任は、発注した区分所有者であることを明らかにしている。この条項は規約に取り入れる必要がある改正点である。
6)このようなトラブルが起こった場合、最後的には裁判で裁断を仰ぐこともあると思われるが、裁判の過程、裁判後にマンションの共同生活に大きな影響を与えることも予測される。マンションはその空間を様々な価値観を有する区分所有者が生活する場であることから、共存できるような紛争の解決が必要であろう。調停人が介在し、ウインウインで話し合い解決をはかるADRという手続があり、日本マンション管理士会連合会が法務大臣認証裁判外紛争解決手続の「マンション紛争解決センター」を設立し、マンションADRでの手続で解決を提示している。また、国の機関である公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターにおいても弁護士等により裁断型調停も行われている。

【NPO日本住宅管理組合連合会の回答】
騒音トラブルがどの時点であったのかが示されていませんが、リフォーム工事中なのか、リフォーム後なのかです。工事中であれば、工事に際しての注意を示したルールを作り、これを守っていただくこと。もちろんこれは住戸の持ち主である区分所有者が理解し、工事業者にそれを守ってもらうということになります。

実際にあったことですが、「日曜・祝祭日は工事を行ってはいけない」というルールを設けていた管理組合で、ある住戸内をスケルトンにした後、リノベーションを行なっていた工事業者がルールを無視して工事を2回ほど行った結果、理事会は一切の工事停止を求め、半年もの間工事が止まっています。これにより、区分所有者は仮の住まいに居続けなくてはならず、困り果てています。とは言え、工事業者にきちんと守るべきルールを伝えていなかったことに問題があります。
この場合、区分所有者が責任を持って工事業者にルールを説明し、これくらいはいいだろうなどとルールを疎かにしないよう、強く伝えておくことが必要でした。
工事業者を選ぶ際は、安価であるといったことだけで選ぶのではなく、信用がおけるのか、経験は豊富なのかといったこと、評判なども踏まえて選び、工事業のトラブルを起こさないようにしたい。それらを踏まえ、何を、どのように、いくらで、いつまでにといった内容を明文化した契約書と仕様書を作成しておくことは必須で、口約束は避けるべきです。
「友人だから信用したが、約束した機器やカラーと違うし、出来栄えも相当落ちている」といった苦情もあります。新築の戸建の家の話ですが、同様に「友人の紹介の工務店に建ててもらったが、車が通っただけで、とくに3階部分揺れがあり、地震があった時を想像すると怖い」ということで、5年後にマンションに転居した例があります。

管理組合があらかじめ準備しておくのがリフォームやリノベーションの申請書です。氏名と住戸番号、工事内容と範囲、その図面、期間、工事業者名と連絡先などの添付を求めます。これは、リフォーム細則や規則などにしておきます。
問題は、申請書と添付書類を誰が確認するかです。担当理事がいたとしても、工事内容の詳細を理解することができるのか、です。ある管理組合は一級建築士に確認を依頼し、不明な場合は、申請者に追加書類の提出を求めるなど、慎重にリフォーム申請に向き合っています。それは、次のような事例を学んだことから生まれました。

ある団地の区分所有者はエアコンの室外機をベランダに設置し、室内に設置したエアコンと繋ぐために、躯体に穴を開けてしまいました。これによって鉄筋を切り、大騒ぎになりました。このように、もっとも注意したいのがリフォームやリノベーション等によって躯体を傷めてしまうことです。
この管理組合は当該区分所有者に対して、即刻原状回復を求めましたが従わなかったため、訴訟を起こし、原告勝訴となり、原状回復となりました。管理組合は専門家に依頼し、穴の部分の鉄筋が切られていたことを確認し、その復旧も含めた工事を管理組合主導で行い、その費用を当該区分所有者に請求したのです。

リフォーム等についての細則等にヌケやモレはないのか、見直すことも必要です。それを区分所有者に周知し、円滑なリフォームが行えるようにし、いざトラブルが発生した場合は毅然と対応することも必要です。
理事長が細則等を無視して、自ら勝手に判断してリフォーム等の許可をし、それがトラブルの元になっているという事例は多くありますから、感覚的な対応をしないよう十分に注意したいところです。

工事後の騒音トラブル
フローリングの張り替えの杜撰な工事の結果、音が響くようになったというトラブルはよくあります。
床が直床なのか二重床なのかによって、使う材料も工法も異なります。それなりの知識と経験が施工会社にあるのか、これもしっかりと選ぶ必要があります。
「工務店からそれなりのL値の床材を使ったが、階下の人からうるさいと言われた」と言いうクレームもあります。そもそもL値は推定値で、空間性能を推定したものです。それに対してΔL(デルタエル)等級は床材が床衝撃音をどれだけ抑えられるかという、製品単体の低減性能を表しますが、これは床材と施工の両方の性能がクリアすることが求められています。
これら理解がない施工会社もありますから、要注意です。

以上のようなリフォームやリノベーションをする際のルールとともに理事会でも理解をし、問題部分は細則等に反映させるとともに、占有部分と共用部分についても加えて居住者に周知し理解を求めるための広報を行っていくことが必要です。

 投稿日時: 2021-12-14 (129 ヒット)
【設問】
 管理費等の見直しを検討したい。どのようなことに注意すればよいのか。
 昨年度第2回大規模修繕工事(外壁塗装工事、屋上防水工事等)を実施した。
12年後に第3回大規模修繕工事を計画しているが、長期修繕計画の見直しをした。その結果、このまま管理費等の値上げをしないと工事資金不足に陥るおそれが出てきた。
管理費等の値上げを含む見直しをするにはどのようなことに注意すればよいのか。

【回答団体】
・一般社団法人埼玉県マンション管理士会
・NPO日本住宅管理組合連合会
・NPO匠リニューアル技術支援協会

【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】
 1)専門委員会(管理費等改善委員会)の立ち上げ
理事会において専門委員会(管理費等改善委員会)を立ち上げ、管理費等(管理費削減及び長期修繕計画に基づく工事費用積算。)の見直しを検討します。
2)管理費の見直し
①数社の管理会社より現業務仕様書のベースで見積を取得して比較する事とします。
②管理会社への全面委託を見直し、専門業者に部分委託する事(エレベータ保守業務、排水管清掃業務、清掃業務、植栽管理業務等)を検討します。併せて管理員の勤務時間の短縮(業務内容に支障が出ない範囲で)も検討します。
③この最終業務仕様で同じ条件で現管理会社の他3社位から、再度見積りをとり、区分所有者を集めての候補業者のプレゼンテーションを実施します。(委託料の安さだけでなく委託業務の質や信頼性などの判断が必要。) プレゼンテーション内容を踏まえ、管理会社委託先を見直します。
3)修繕積立金の見直し
専門委員会で修繕積立金も修繕工事内容、実施時期、工事費用積算の妥当性を検討します。委員として外部専門家(建築士、マンション管理士等)にも参加してもらうと良いでしょう。
“マンションの修繕積立金に関するガイドライン”における「目安の幅」以上になっているかどうかを判断(一時金徴収をしない前提)して、値上げも含む修繕積立金額を設定すると良いでしょう。

【NPO日本住宅管理組合連合会の回答】
この質問における管理費等とは、長期修繕計画、大規模修繕工事にかかることですから、この回答では管理費等とせず、修繕積立金として話を進めます。そして、 “値上げ”ということばを“積み増し“というように直して話を進めます。修繕積立金は値を上げるわけではないので、そもそもそのことば自体に問題が隠されていることがあります。

質問にある問題は次のようなことが考えられます。
・建物等の状態(点検や診断)を適時・適切に実施されていたか。
・長期修繕計画を適時・適切に見直しをしてきたか。
・今回の見直しについても、今後必要な修繕等の箇所が含まれているか。
・当該マンションのビジョン(将来展望)はどうなっているのか。
・それらを管理組合全体で課題として取り組む姿勢があったか。
以下、ランダムになりますが、説明していきます。

長期修繕計画に必須項目を反映させる
・建物・設備の維持・保全を念頭に、マンション固有の建物や設備などを、図面と実際がどうなっているかを確認。数年ごとに点検をし、それを長期修繕計画に反映させる。
・ガス管や敷地内の埋設排水管は当初、長期修繕計画書に示されていないことがある。
・それぞれのマンション固有の特徴的な建物や設備がある場合、一般的な長期修繕計画では示されない。
・一時金の徴収は、とくに居住者が高齢化しているマンションではハードルが高いので、長期修繕計画の見直しとそれに伴う修繕積立金の積み増しの提案を都度行う。

ビジョン(将来展望)の策定
 長期修繕計画は、事務的・機械的に策定するのでなく、マンションの将来をどうしたいのか、どうすべきなのかといった観点や大きな目標といったことが欠かせません。建物を長く使うという考え方は重要で、そのためにはビジョンの策定が不可欠なのです。    
ビジョンを考える上で、いくつかのポイントがあります。
まず、アンケートを実施し、永住志向、住むに当たっての不安や問題、建物等の不安、希望したいことなどを把握します。居住者の実態とその考えていることを把握しつつ、マンションのビジョン(将来のあるべき姿・将来展望)を、みんなで作り上げます。
当該マンションには、永住を考える居住者がどの程度いるかをはじめ、建物の固有性なども訊きます。重視したいのは、それらがマンションの居住価値の向上に結びついているのかということです。

築50年になるT団地では、外断熱、サッシの交換、玄関ドアの交換、耐震改修といった改修工事を実施しました。「取り敢えず、あと30年は保たせよう」という取り組みです。
サッシや玄関ドアからは隙間風が入り込み、「冬は、寒くて寒くて」という状態でした。一連の工事のコンセプトは“健康”と“安全”です。準備もお金もかかりましたが、時間をかけて話し合いを重ねながら合意を形成していきました。改修工事の結果、目標は達成でき、「からだが楽になった」という実感を、皆さんは口にしていました。
 
建物をどの程度長持ちさせたいのか
先述に示したように、建物をどの程度もたせるのか、それは何のためなのかです。
大規模修繕工事を、単に建物等の維持・保全ための修繕や改修という言葉だけで括ってしまうことが多いのですが、それ以前に、それはなんのために実施するのかをしっかりと話し合っておくことが必要です。
事務的・機械的に大規模修繕工事を実施するのではなく、ビジョンの策定とその見直しを行い、それを基に長期修繕計画を見直すとこと。それが修繕積立金に直結するので、長期修繕計画に何を盛り込むのかは極めて重要になります。

ワークショップ
 ビジョンの策定や見直しには、ワークショップが極めて有効です。批判厳禁、他の人の意見などを流用してアイディアを出すなど、わいわいガヤガヤとした雰囲気を作りながらマンションのビジョンを作り上げていきます。ワークショップでは、ファシリテーターと呼ばれる進行係の役割が重要になってきます。
ワークショップでは、お金のことはあまり考えません。先述のアンケートの作成も、どのような質問項目をするのかもワークショップから得られます。そのアンケート結果を受けて、さらにワークショップを実施します。
ある程度作り上げた一次ビジョンを基に、長期修繕計画の見直しに移ります。よくある長期修繕計画の策定は事務的・機械的になりがちで、それは設計コンサルタントにすべてお任せしてしまうなど、管理組合が受動的になるとマンション固有、居住者視点に欠けてしまうことがあります。修繕委員会がコンサルタントは一次ビジョンを意識し、またコンサルタントの意見も尊重しながら、そして、この時、そもそも積立金が充足しているのかも考慮してきいきます。
長期修繕計画に盛り込みたいけれど積立金が不足している場合、理事会に諮り、積み増しを検討することになります。これは、大規模修繕工事の設計段階においても同様です。
長期修繕計画が策定されている管理組合の率は高いという、国のマンション総合調査がありますが、長期修繕計画を根拠とした修繕積立金は、不足気味になっているのが実態ではないかと感じます。2022年4月1日からスタートする国の管理計画認定制度の修繕積立金を確認すれば、それが理解できるのではないかと思います。

建物や設備は時間の経過とともに劣化度が高まり、修繕や改修部位の範囲が広がり、それに伴って修繕費用は増していきます。しかも長期修繕計画に示されていなかった、ガス管の更新や敷地の排水管の更新・更生、外構改修といった工事も出てきます。それに加え、マンションのビジョンによって必要とされる新たな改修等の工事も出てくる可能性もあります。

事例から考える
40戸ほどのAマンションは2回目の大規模修繕工事がかなり遅れたために、瓦屋根の部分の劣化が進んで修繕積立金ではカバーできず、住宅金融支援機構からの借り入れによって工事を実施しました。
その後、金融関係に勤めているという理事長が自ら長期修繕計画を策定。3回目の大規模修繕工事を2回目工事から25年後に設定したのです。それは、その時に大規模修繕工事が可能な修繕積立金が集まっているという理由です。つまり、積み増しをせず、現状の積立金のままで大丈夫であるという、建物等の劣化度を優先せずにお金だけから導いたのです。25年を経ずに屋上防水、給水管、排水管やエレベーターなどの改修工事が必要となるのは目に見えています。

この事例のように修繕積立金に合わせて大規模修繕工事を行うことが散見されます。この場合、あまり問題がない部分もありますが、実施すべき部分を先送りしてしまうといった管理組合もあります。LサイズのからだにSサイズの服を着せようとするので、できない部分が出てきます。そもそも25年後の工事というのが合理的なのかです。

このようなことに陥らないためにも、長期修繕計画の見直しと修繕積立金の見直しを行い、都度、区分所有者にしっかりと説明をし、理解を求めていくことが重要です。

築40年、200戸のN団地は、以前から理事会が積み増しの必要性を訴え、総会での承認を求めていましたが否決されていました。しかし、水漏れが多発し排水管の改修が待ったなしの状況になりました。ところが、積み増し反対だったので、その分の費用はまったくない。そこで理事会は、住宅金融支援機構からの借入れを提案。総会で承認され、無事、排水管改修工事が実施されました。当然借りたお金は返済が必要ですから、修繕積立金は今まで以上に納めなければなりません。この団地は、一時金の徴収か借り入れかを議論し、一時金の徴収は絶対に無理との多くの意見があり、切羽詰まった上での借り入れによる改修工事でした。それも、水漏れを実感してのものでした。
借入の場合、どこから借りるのかもしっかりと考えて決めていく必要があります。

建物の劣化状況を、居住者みんなで点検するといった取り組みをしている管理組合もあります。ビジョンの策定や見直しを行い、それを長期修繕計画に反映させ大規模修繕工事に結びつける。マンションをよりよく、住みやすく、居住価値を高めるといった基本的な考え方を共有することが修繕積立金の“積み増し”の理解につながります。

修繕積立金の積み上げは、区分所有者に参加してもらうワークショップやアンケートを実施し、それらの状況を広報し、居住者が常に知っている状況を作り、その必要性の理解を求めていくことが欠かせません。

【NPO匠リニューアル技術支援協会の回答】
 ◆現在築25年、次回3回目大規模修繕工事を37年予定として管理費等の値上げを含む見直しする場合の留意点
1.管理規約で修繕積立金を値上げするための決議方法を確認する。
2.修繕積立金の値上げをいきなり総会に提案してはいけない。
値上げについては反対意見が出ることが予想されるので、アンケートの実施、説明会開催などにより「なぜ値上げが必要なのか?」 「値上げする根拠は正しいか?」 「いくら足りないか?」 「いつ頃足りなくなるか?」 「いっどれだけ値上げするか」等丁寧な説明が必要。
3.修繕積立金値上げの手順
1)管理費等の値上げを含む見直しが必要な根拠を作成する(既存長期修繕計画の再検討)
既存長期修繕計画の大規模修繕工事修繕費及び修繕周期が適切かを検証する。一般的に大規模修繕工事周期は10年~15年であり、 2回目の大規模修繕工事が適切に行われていれば次回12年後の計画を15年への先延ばしは可能と思われる。併せて資金計画についても一時借入・返済等を考慮しているか検証する。
エレベーター・給排水設備については現状の劣化状況を把握した上で仕様及び更新時期を見直す。
長期修繕計画については少なくとも築60年迄計画する。出来れば築80年迄作成が望ましい。
値上げ方法は①借入無し②借入有り③一括値上げ④段階的値上げ等複数案検討する。
2)立体駐車場があり駐車場収入が管理費会計に繰り入れしている場合は駐車場単独の長期修繕計画を作成するか、又は修繕積立金会計への合算が必要。
(駐車場収入は本来駐車場修繕・立替え費用として別途に積み立てるべき。)
3)管理費等の値上げに関するアンケートを実施する。
4)アンケート結果集計と意見に対する考えをまとめる。
5)理事会の方針及びアンケート結果及び再検討長期修繕計画を区分所有者に広報して説明会を開催する。
6)管理委託している場合は、同時に管理委託費(基幹事務及び建物・設備管理業務)の値下げも検討する。
4.修繕積立金は少しでも早く、出来るだけ大きく値上げしておくことが将来の負担軽減に繋がる。

 投稿日時: 2021-12-14 (120 ヒット)
【設問】
 私の居住しているマンションは築20年で、管理規約は平成23年版が最新版です。これから、規約委員として、管理規約の改正に取り組みますが、改正についてどのようなことに留意して進めればよろしいでしょうか?また、管理規約に規定出来ることとできない事が有りますか?

【回答団体】
・NPO埼玉マンション管理支援センター
・NPO埼管ネット

【NPO埼玉マンション管理支援センターの回答】
 1:管理規約について

「管理規約」とは、管理組合の運営の基本となるルールです。
つまり、自分たちのマンションにおいて、区分所有者が快適な居住ができるように、建物・敷地・付属施設などを、適切に管理・運営・維持するために、管理組合の運営のルール及び区分所有者=組合員、居住者、賃借人が守るべきルールや負担すべき費用などを決めたものです。
このマンションのルールを決めるときにその基本となる法律が区分所有法(昭和37年4月施行)です。
【区分所有法の概要】
一棟の建物を区分してその各部分を所有権の目的とする場合の所有関係、その建物及び敷地等の共同管理の方法について定めた法律です。一団の土地に複数の建物が建てられている場合、いわゆる団地の権利関係についても定められています。
【マンション標準管理規約】(昭和57年旧建設省が管理規約作成指針として関係団体等に通達)
 多くの住民が一棟の建物を区分所有しているマンションにおいて不可欠なマンションの維持管理や生活の基本ルール(管理規約)の標準モデルとして国土交通省が関係団体等に通知し、公表しているものです。
これを参考に、それぞれのマンションに適した独自のルールを定めることができます。
マンションの管理規約は、運営するマンション「管理組合と区分所有者」との相互の特別の約束(以降「特約」と称す。)です。また、マンション管理の「最高規範」です。
なお、この管理規約は、 マンションに居住する占有者(=賃借人)にも「マンションの共用部分の管理・使用」については、区分所有者と同じように適用されます。
2:管理規約に定めることが出来る事項について

先ほど述べたように、管理規約は、管理組合と区分所有者(管理・使用については賃借人を含む。)の特約です。しかし、特約なので、管理組合の管理・運営・維持するために何でも決めて良い訳では有りません。
管理規約を制定・改正・廃止することには、一定の制約が有ります。
管理規約に規定出来ることは、次のようなことです。
(1):区分所有法の中で「規約で定めることができる」と規定されている事項
  (下記「※1」参照)
(2):区分所有法に直接規定されていない建物、敷地、付属施設の管理・使用に関する事項(下記「※2」参照)
(3):区分所有法に規定されている事項の確認的な規定(下記「※3」参照)

※1:個別的な規約事項の例
区分所有法の中で個別に「規約で定めることができる」と規定されている事項
①: (法第4条) ②: (法第5条) ③: (法第22条) ④: (法第14条)、
⑤: (法第11条、第27条ほか) ⑥: (法第15条) ⑦:(法第17条) 
⑧: (法第18条) ⑨: (法第11条) ⑩: (法第19条) ⑪:(法第25条) 
⑫: (法第26条) ⑬: (法第26条) ⑭: (法第26条) ⑮:(法第33条) 
⑯: (法第34条) ⑰: (法第35条) ⑱: (法第35条) ⑲: (法第37条)
⑳: (法第38条) ㉑: (法第39条) ㉒: (法第41条) ㉓:(法第45条)
㉔: (法第49条) ㉕: (法第49条) ㉖: (法第52条) ㉗:(法第56条)
㉙: (法第61条) ㉚: (法第62条)

※2:一般的な規約事項の例

(1):区分所有法の中で直接(具体的な)規定がされていない建物、敷地、付属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項
(2):管理組合の業務運営や理事会の通常業務の大半は、一般的な規約事項として規定されています。

< 建物等の管理に関する事項>
①: 管理組合の業務に関する定め
②: 管理組合の業務の委託等に関する定め
③: マンション管理士など専門知識を有する者の知見の活用に関する定め
④: 管理組合の会計に関する定め
⑤: 管理組合の役員や理事会に関する定め
⑥: その他、建物等を維持管理していくために必要または有益な事項に関する定め

<建物等の使用に関する事項>
①: 専有部分の使用方法(用途・ ぺツト・ 楽器の演奏)の制限等に関する定め
②: 敷地・共用部分の専用使用権や対価に関する定め
③: その他、建物等の使用に関して必要または有益な事項の定め

※3 区分所有法で定めている特別決議の「区分所有者および議決権 」の決議要件は、強行規定で、これと異なる規約は無効となり、区分所有法の規定が適用されることになります。

<区分所有法に特別多数決議が必要と規定されているものの例>
  
①:(法第31条1項) ②: (第17条1項)③: (第47条1項)及び法第55条2項)
④:(法第58条1項) ⑤:(法第59条1項)
⑥:(法第60条1項) ⑦:(法第61条5項)⑧:(法第62条1項)⑨:(法第68条1項)
⑩:(法第69条5項、7項、法第70条1項)
      
(注記):(第17条但し書)の「共用部分の変更は、規約で区分所有者の過半数でもよいとされているから」強行規定ではありません。

3: 管理規約に定めても効力が無い事項

管理規約に規定しても効力がないものとしては次のことが考えられます。

(1):管理規約のうち、区分所有法の規定に違反している規約は無効となります。無効となると「区分所有法」の規定が適用されることになります。

例えば、「組合員の権利を奪うような規定」は、 区分所有者間の利害の衡平が図られていない。「法第30条3項」に違反しているので、無効となります。

(2):区分所有法の規定で、「規約に別段の定めをする」ことを認めている規定以外は、原則として強行規定ですから、これらの規定が優先し、違反している管理規約は無効となります。

(3): 管理規約に、一般的な強行規定である、「公序良俗に違反している行為(民法第90条)」や「基本的人権に反する規定」をするとその管理規約は、無効となります。

①:公序良俗に反する規定(民法第90条、第91条)
②:経済の基本秩序に反する行為、暴利行為、自由競争の原理に反する行為など
③:家族の基本的秩序に反する行為
④: 個人の尊厳、男女平等に反する行為
⑤:犯罪に係わる金品を与える行為

(注記)
無効となった管理規約には、区分所有法が適用され、区分所有法に規定がないと、判例、民法などが適用される。

(4):建物又はその敷地若しくは付属施設の管理又は使用のいずれにも該当しない定め

4:管理規約と一般的な細則などについて
管理規約は、「マンションの憲法」と言われていて「基本的なルール」を決めたものですが、具体的なルールや手続きの細部などは、使用細則、別紙・別表、様式などで定めることが出来ます。
しかし、これらの使用細則なども管理規約と同様に、区分所有法等の法令に違反・抵触しないように定めることが必要です。

5:標準管理規約の改正経緯
(1):標準管理規約と区分所有法は、次のように改正されてきております。
             法律の整備 標準管理規約の改正
S37年4月 区分所有法の制定
S57年5月 中高層共同住宅標準管理規約の通達
S58年12月 区分所有法の改正
H9年2月 中高層共同住宅標準管理規約の改正
H14年12月 区分所有法の改正
H16年1月 中高層共同住宅標準管理規約の改正
「マンション標準管理規約」へ名称を変更
H23年7月 マンション標準管理規約の改正
H28年3月 マンション標準管理規約の改正
H29年8月 住宅新法 民泊の追加
H29年11月 民泊特区の追加

(2):ご相談内容から見ると、平成23年7月の標準管理規約の改正分までは、盛り込んで有ると思われますので、その後平成28年3月の改正分及び平成29年9月及びの11月の民泊関係の追加について、貴マンションに関係のある部分を取りこんで改正することをお薦め致します。
(これらの改正は、標準管理規約「単棟型」だけでなく、「団地型」及び「複合用途型」についても適用されます。)

(3):平成28年3月の標準管理規約の改正項目
   ①  外部の専門家の活用(第35条~第41条 別添1など)
②  駐車場の使用方法(第15条関係コメント)
③  専有部分等の修繕等(第17条、第21条、第22条、別添2など)     
④  暴力団等の排除規定(第19条の2、第36条の2など)  
⑤  災害等の場合の管理組合の意思決定(第21条、第54条など) 
⑥  緊急時の理事等の立入り(第23条コメント関係)
⑦ コミュニティ条項等の再整理(第27条、第32条)
⑧  議決権割合の価値割合基準(第46条関係コメント)
⑨  理事会の代理出席 (第53条関係コメント)    
⑩  管理費等の滞納に対する措置(第64条、別添4など)   
⑪  役員の欠格条項  (第36条の2)
⑫  理事長の定期的な理事会への報告義務(第38条4項)
⑬  監事を筆頭に非常に重くなった役員の責務(第41条など)
⑭  マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律
(平成26 年法律第80号) の施行等に伴う改正、宇句の修正等
⑮  民泊などに関する追加    
平成29年8月30日(2017年)の住宅新法に伴う民泊の追加、
平成29年11月2日(2017年)の民泊特区の追加
(4):最後に、マンションの管理規約、各種の使用細則、別表・様式などは、区分所有法・標準管理規約を参考にして、それぞれのマンションの特性に合わせて制定し、その時々の経済・社会の変化に合わせて改正・追加・削除することをお薦め致します。
また、マンション管理士等の専門的知識を有する者のアドバイスを得ることも考えられます。

NPO 埼玉マンション管理支援センター

【NPO埼管ネットの回答】
 1 築20 年のマンションで規約改正が行われたのは、平成23年度が最後と言う事ですから、10 年前に規約を改正し、それ以降は行われていないと言う事で宜しいでしょうか。この間に、法律の改正もあり、これに合わせ一部改正はしているものと思われます。
 令和元年には「住宅宿泊事業法」が改正になり、これに伴い、多くの分譲マンション管理組合は「区分所有者」に「宿泊事業」や「ウイークリィ」単位での貸室、「シェアルーム」の禁止を規約改正し盛り込まれたことと思います。

2 分譲マンションにおける管理規約は、管理組合にとっての「最高自治規範」であるので、実態に応じて適切且つ必要に応じて改正を行う事が大切です。「規約」は法改正があったり、社会情勢の変化に伴い、時代に適応した見直しを計画的に、建物に居住する方々の良好なコミュニティ形成を図り、住まいのルールを守るために改正することになります。

3 規約改正に付き、管理組合が留意すべき事項
 分譲マンションに関する法律では、「建物の区分所有等に関する法律」及び「マンョンの管理の適正化の推進に関する法律」があります。
 これは、各区分所有者等(入居者)が共同生活を送る上で、多様な価値観を持った区分所有者間の意思決定の在り方、利用形態の混在による権利、義務関係等、その事情を総合的に考慮し、利害の均衡を図る上で規律を明確にし、共同の利益を守るために規約改定に当たり、留意点として法律に沿ったものでなければなりません。

4 管理組合運営では「規約」を補足する「使用細則」も併設されていると思われます。
折角「規約」改正をするのでしたら、付帯設備としての「細則」改定も時代に合わせた
利用方法も考えて行かなければなりません。
 例えば、機械式駐車場等、建築当時は、全機契約があり、駐車場収入もありましたが、近年になり、時代の変化により、車離れ社会となり、空きスペースも増えてくることにより、使用細則を改定し、電気自動車仕様に見直した管理組合もあります。

5 最近多い規約改正事例
(1)ペット(小動物)飼育の禁止の管理組合が、規約改正し、条件付きで「飼育可」に
変更する事例
(2)ベランダでの喫煙を「禁煙」とする事例
(3)役員のなり手不足による定員減、年数の長期化(1年→2年)に改定する事例
(4)役員の選任に関して「現に建物に居住する区分所有者」→単なる「区分所有者」とする事例
(5) コロナ禍により、総会・理事会開催について、「web会議システム」条項を盛り込んだ」事例があります。

6 「規約に規定出来ること、出来ない事があるのか、」の問いに関しては、法令に制限されているものは、規約に設ける事は出来ません。

7 区分所有法上「規約で定める」若しくは「規約で減ずる事が出来る」及び「ただし、規
約に別段の定めがあるときは、この限りでない。」とあった場合は法律に照らし合わせ、規約に定める事が出来ます。
 区分所有法第30 条には「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。」とあります。

8 居住に関しての、建物施設の利用、管理に関しての権利、義務に係わるマンションの資産価値の保全、向上がもたらされる事項について、問題となっている部分があったなら、法律と整合性を諮りながら、社会的背景も考慮し、規約改正されるべきです。
 具体例として、管理組合に納入しなければならない項目として、1 管理費 2 修繕積立金、とある事項を、1 管理費、2 修繕積立金3 駐車場維持管理費、と改正することにより、出納口座、保管口座、保管口座2 を駐車場出納とすれば、経理区分も明朗になり、将来的に修繕計画の策定費用として「時期繰越金」に組み入れることが出来ます。

9 改正には、最終的に組合員の合意形成が必要になってきますので、予め、アンケー
ト調査→素案作成→説明会の流れで総会に於いて成立と言う手順になります。
 なお、国土交通省より管理組合向けに「マンション標準管理規約」 も発行されていますので、これに照らし合わせ、どの様な処を改正すれば組合運営が効果的に進められるか、などが理解できると思いますので参考にして下さい。
以上

 投稿日時: 2021-12-14 (114 ヒット)
【設問】
 向こう30年以内に70~80%でマグニチュード7クラスの首都直下型地震が起こる可能性があると報道されています。また、近年の地球温暖化現象により、集中豪雨や強風を伴う大型台風の日本上陸が増えています。
このような中、どのように風水害対策を講じればよいか。

【回答団体】
・NPO埼管ネット
・NPO日本住宅管理組合連合会

【NPO埼管ネットの回答】
近年、地球温暖化現象により、強風の伴う集中豪雨が多く発生しています。2019年に発生した台風19号は関東にも大きな風水害被害を残しました。増水した多摩川の泥水が下水道管を逆流し、武蔵小杉駅周辺を水浸しにした事例があります。
 タワーマンションも電気設備がある地下3階が浸水。真下の地下4階にゲリラ豪雨に備
えた雨水貯留槽があり、建物周辺の雨水升を通じて大量の水が流入し、下水道に排出するポンプの能力を超え、地下3階に水があふれました。
 原因は近くの多摩川につながる排水管が、多摩川の水位が上がり、逆流したためとされ
ています。住民には予想もできない事態でした。
 超高層マンションにとって水害は無縁とみられていましたが浸水被害を教訓として、「浸水対策」のガイドラインが2020年6月に国土交通省と経済産業省から発行されました。
マンションの風水害対策については、未知な点も多いとされ、管理組合も不安を抱えています。これまで、地震、火災対策については防火訓練等で一定の成果を得ましたが、水害対策は盲点でした。
〇 風水害時、専有部分居住者の取り組み対策
1 TV・ラジオ・インターネット情報からの天気予報の把握
2 停電・断水への備え、飲料水・食料品の確保
3 情報機器の充電、バッテリーの確保
4 ハザードマップの確認
5 避難場所の見きわめ
6 ベランダ・バルコニーの置物は屋内へ
7 飛来物による窓の破損防止
8 窓サッシからの吹き込みを防ぐ
〇 管理組合の応急対策
1 「土のう」「止水板」の用意
2 管理委託契約「24時間監視」の確認
3 風水害保険への加入の確認
4 地下ピット駐車場のある場合車を地上へ
〇 分譲マンション総合保険の保険金請求の適用可能か。申請するためにも、被害に遭った部分の写真撮影は必ず行ってください。被害箇所1か所に付き、角度を変え4~5 枚、遠近それぞれ4~5枚撮影しておき、後日の証に備えて下さい。
1 地震対策
 2011年(平成23年)3月11日に宮城県北部で発生した我が国観測史上最大となる東日本大震災はマグニチュード9、震度7が観測され、埼玉県内においても幅広い市、町の地域で震度5を記録しました。いざと言うときの防災対策に努め、慌てずに減災に努めて下さい。
 緊急地震速報の活用、テレビ・ラジオ等の放送波、携帯電話(スマートフォンを含む。)による一斉同報機能(緊急速報メール/エリアメール)により、震度5以上の地震が来ることを予想反映した緊急地震速報が報知されます。家にいるときはとにかく自分の身を守ることを優先する必要があります。
 長周期地震動による被害は、高層階になるほど大きくなる傾向にあります。マンション上層階の揺れは、地上で感じる揺れの2〜3倍以上となることもあります。室内が大きく揺れることで転倒したり、家具が激しく倒れたりする被害が予想されます。
□ 自主防災組織の結成(消防計画による自衛消防隊を準用。)
管理組合内で、防災委員会を組成し、各担当を選任し共助による活動
□ 消防法による、防災訓練の実施、防火訓練と合わせて、防災訓練も一緒に実施すれば効果的
□ 管理会計に災害緊急時対策費用を予算化、年度予算に組み入れる。
□ 備蓄品(道具・備品・非常食類等)の購入、管理
□ 災害時要援護者の把握、高年齢特に独居老人の方への配慮
□ 緊急時の連絡先の確認、親戚、縁者の方の登録依頼、(個人情報保護法に留意。)
□ 広域支援体制の利用(外国人居住者への配慮。)
□ 住居を記した防災用名簿の作成(外部、第三者への情報漏洩は絶対に避ける。)
□ 居住者の安否確認体制の整備
□ 災害発生時における被害状況・復旧見通しに関する情報の収集・提供体制の整備
□ 災害時の避難場所の周知
□ 災害対応マニュアルの作成・配付
2 マンションにおける防火管理者の設置
 マンションは、「非特定防火対象物」に該当し、全体の収容人員50人以上の建物において防火管理者の選任が必要(消防法施行令別表第1(5)項)です。ここで、注意しなければならないのは、収容人員とは、マンションの戸数ではなく、マンションに常時居住している方の人数としますが、実際には、実態把握が困難なため、部屋の間取りによって1 戸あたりの算定居住者数で計算収容人員を計算します。
1K ・ 1DK ・ 1LDK ・ 2DK 2人
2LDK ・ 3DK 3人
3LDK ・ 4DK 4人
4LDK ・ 5DK 5人
となります。
1 棟に 2LDK が5 戸、3LDK が10 戸の場合
3 人×5 戸+4 人×10 戸=55人となり防火管理者の選任が必要となります。
〇災害想定に基づいた消防計画
消防法第8 条により共同住宅における共有部の管理について権原を有する者(管理権原者=理事長 )は、火災、地震等から自分達の共同住宅を守るために、 防火管理者を定めて、消防計画を作成させ、自衛消防組織を設置し、防火管理業務を行わなければなりません。
また、マンションなどの共同住宅には防災管理者の選任は義務付けられてはおりませんが、地震災害などに対応した防災体制の整備が大切です。
 防火訓練に準じて自衛消防組織を有効に活用し、マンション住民のマンパワーを生かして、実体のある防災管理体制を構築することが大切です。消防(防災)訓練を未実施のマンションでは、防災訓練も併せて計画を立てて、しっかりとした定期的な訓練を行うようにして下さい。
以上__

【NPO日本住宅管理組合連合会の回答】
国の中央防災会議における防災対策実行会議では、さまざまな検討結果を踏まえ、これまで首都直下地震対策の対象としてこなかった相模トラフ沿いの大規模地震も含め、様々な地震を検討対象としており、これまでの被害想定のように単に人的・物的被害等の定量的な想定をするだけでなく、防災減災対策の検討に活かすことに主眼を置き、それぞれの被害が発生した場合の被災地の状況について、時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、対策実施の困難性も含めて、より現実的な想定を行いました。
防災・減災対策の対象とする地震は、首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震(Mw7.3)を防災対策の主眼としています。それに伴って埼玉県や県内の地方自治体も対策を進めています。
この地震による埼玉県における東部全域で震度6強〜6弱と、強い揺れが想定されており、人的被害や物的被害も多大であるとしています。

これらの直下地震は、いつ起きてもおかしくない状態にあるとの認識が必要です。自分が居るところに地震は来ないと思ってしまう「恒常性バイアス」は、楽観的になれますが、いざ大きな揺れが起きたときの対応はむずかしく、身の安全を確保することに影響を与えかねません。今のうちに減災と身を守ることについて考え、対策を立てておくことが必要です。

マンションでは大きな揺れにともなって、共用部分の脆弱な箇所がないかを、専門家と共に建物等を点検し、安全性を考慮することが求められ、場合によっては修繕や改修を行う必要があります。耐震についても確認しておき、安心できるマンションにしておくことがまずは大切です。耐震性については新耐震の建物であるか否ですが、旧耐震の場合、耐震診断について理事会等で検討することも必要になります。
ただし旧耐震でも、旧公団の5階建ての壁式構造の建物は、構造上地震に強いとされています。もちろん、絶対はありません。ピロティーや壁式ではない建物が混在している団地もあるので、確認することをお勧めします。
建物以外の問題として、熊本地震では液状化によって集合住宅が傾いた例がありました。

東日本大地震の事例
新耐震の建物でも、震度6強程度になると壁にひび割れ等が発生することが、東日本大震災や熊本地震で明らかになっています。つまり、大きな地震の場合、建物は無傷ではないということです。
外壁がタイルの場合、大きな揺れによって剥落して落下することも考えられます。下に居る人への被害の恐れがあるので、落下するような造作物がないかも確認しておきたいところです。
東日本大地震の時、仙台市にあるマンションでは、屋上の受水槽の大量の水が一気に落下したのですが、その様子が防犯カメラに映っていました。幸い、そこに人がいませんでした。そのマンションには集会所がなく、1階の狭いホールを最前基地とし、理事長が先頭に立って居住者の安否確認等を行いました。また、居住者に呼びかけ、余っている懐中電灯や水、食べ物、暖房器具などを基地に運んでもらい、必要な人には取りに来てもらいました。
一番困ったのはトイレと寒さだったと、当時の理事長は語っています。つまり、トイレに困ると水分を制限し脱水症になるなど、体調を壊すことにつながります。これらは、東日本大地震の多くのマンション等で発生ました。
トイレが使えなくなったのは、雑排水が破損したりつなぎ目がずれるなどして使えなくなったことと、水道も出なくなっていたことにあります。
理事長によると、「エレベータが使えない10階建てのマンションの上階から、水などをまとめて大きなバッグに入れて運ぼうとしたが、途中で足も手も動かなくなった」「家に戻り、小さなバッグを持ち出し、水などを少なめにして運んだ」とのことでした。日頃はエレベーターを利用しているので、非常階段を使ったこともなかったことを反省していました。高齢者は階段を降りることもできないので、水や食料を運び、頻繁に健康状態などを確認するために訪問したそうです。
防災訓練は行っていたのですが、「非常階段を含め、ありきたりの訓練に終わっていた」と理事長は述べていますが、車での出勤途中に大きな揺れに襲われた彼は、会社に行くことなくすぐにマンションに引き返し、その被害状況などの把握に努めたのです。それを可能にしたのは、「出勤していた管理員が、指示にしたがい適切に行動してくれ、また、それ以上にアドバイスもくれた」と、優れた管理員さんに感謝しています。

これらの教訓から得られるのは、地震だけではなく風水等による災害に対しても言えますが、共用部分の対策と専有部分の対策、物心両面の準備です。それには災害の想定とそれに伴う被害想定を見積もっておくことが重要になります。
 非常用食料・飲料やトイレ、女性の生理用品、赤ちゃんのミルクやオムツなどの備蓄、風呂の水の貯め置きなど、家具転倒対策を含め、自分で取り組むことも多いと言えます。

タイムラインを作成し、いざという時にそれに沿って行動できるようにしておきます。タイムラインは地震や河川の氾濫、強風などの発生後、いつ、誰が、何をおこなうかを明示し、災害を最小にし、身を守ることを主眼にしています。管理組合(自治会)のタイムライン(共助)と各々の住戸単位(自助)で作成するマイタイムラインを作成します。
タイムラインは、できればからだに覚えさせておくこと。そして玄関先やバッグの中に入れておき、いつでも確認できるようにしておきます。時々見直して、書き直すなどします。
管理組合においては理事、災害担当理事や委員会を設置し、連携するようにしたタイムラインが欠かせません。昼間は働いていてマンションには居ない理事等もいるので、それらも勘案して作成しなければなりません。
タイムラインは作成のプロセスが大切で、関係者が集まって行うワークショップスタイルが望ましいようです。マンションの立地を確認しつつ、地震や河川の氾濫等による浸水被害、強風等の被害想定を、みんなで考えながら作成します。管理組合のタイムラインはみんなで共有し、時々見直して修正を加えることも必要です。作成して終わり、では意味がなく、浸水しそうな場所や土砂崩れしそうな場所を訪れることなど、事前に十分に確認しておくことが大切です。
地方自治体が作成・公表しているハザードマップは、マンション周辺の内水被害や土砂災害などを知ることができる価値ある資料です。

専有部分の家具等の転倒対策
 震度6強以上(場合によってはそれ以下でも)になると、家具、冷蔵庫などの転倒、テレビなどが飛ぶなど、それらが凶器になることが、過去の大震災でわかっています。阪神淡路大震災では、死亡原因の8割が家具や倒壊した家の下敷きによります。
 これは直下型地震であったことが大きな要因ですが、家具を固定していれば、と考えさせられます。また、一部木造住宅の耐震性能の脆弱さも明らかになりました。直下型でなくても強い揺れによって家具などの転倒はあり得るので、日頃の備えが不可避と言えます。
 家具を壁に固定にする場合、管理組合は一定の仕様等を決め、それを居住者に守ってもらうことが必要になると考えられます。やたらに壁に穴を開けたりすることは、避けなければなりません。
 いずれにしても家具の固定は必須ですが、信頼できる方法によって行う必要があります。
家具の転倒対策をしている住戸も多くないという調査もあります。
  東京消防庁が東日本大震災時の東京都民の対策を聞いたアンケートでは、家具転倒対策を実施した理由で、最も多い回答は「自分や家族を守るため」であり、次いで多い回答が「簡単にできるから」です。家具転対策の普及には、自助意識を家族で話し合っておくことが重要になっています。
地震になってから考えるのではなく、震前、震中、震後についてしっかりと準備が大切になっています。

急速に発達した積乱雲の影響による強風にも注意が必要です。2019年の台風15号の接近や強風でベランダに置いてあった植木鉢などが飛び、窓ガラスや戸境壁を破ったという報告が、千葉県のいくつかのマンションで確認されています。「今までの台風ではそのようなことはなかったので、大丈夫だと思った」と、管理組合関係者や管理会社は話しています。
それらの管理組合は、損害保険がもらえたので一安心ということで、被害が忘れ去られようとしています。減災のためには自らの被害はもとより、他の管理組合などの被害をも教訓にして、それを生かして対策を立てておくことが大切です。
河川の氾濫にも、十分に注意したいものです。

これらは今まで経験したことのないことばかりですが、今後も想定を超える災害が起こることを考えた対策が求められています。管理組合で取り組むべきこと、居住者が準備しておくことなどを整理して、タイムライン作成から取り組みましょう。

 投稿日時: 2020-10-20 (408 ヒット)
【設問】
 大規模修繕工事を控え、設計監理方式で実施することがよいことがわかってきましたが、設計監理コンサルタントをどのように選定すべきかがわかりません。選定基準等についてお教えください。

【回答団体】
 ・NPO日本住宅管理組合連合会
 ・一般社団法人埼玉県マンション管理士会
 ・NPO匠リニューアル技術支援協会

【NPO日本住宅管理組合連合会の回答】
 大規模修繕工事は管理組合とって、準備も費用も桁外れで、そのお金を目指して企業などが集まります。中には不適切なことを行う人々もいるので、十分注意をしながらコンサルタントを選定しなければなりません。
 そのためにも、中心となる考え方を述べながら選定についての考え方を示します。

1.大規模修繕工事とは
 主として「共用部分について健全な維持保全の達成を目的とし、一定の周期で全体的に行う計画修繕」を大規模修繕工事といいます。
  
2.長期修繕計画とは
 大規模修繕工事を行うには、「いつごろ(修繕時期)」「どこを(修繕項目)」「どのように(修繕工法)」「いくらぐらい(修繕費用)」で修繕をするのか、25〜30年程度先を予測して、あらかじめ長期修繕計画を策定することが不可欠で、主に共用部分の各部位ごとに示し、見やすく一覧表にするのが一般的です。

*修繕積立金の根拠
 長期修繕計画は計画修繕工事などに使うだけではなく、修繕積立金の根拠でもあるのです。
 その計画が団地やマンションのビジョン等と合致しているかなど、数年ごとに見直すことが不可欠で、それによって修繕積立金が適正なのかを判断することになります。

3.設計監理方式と責任施工方式
 大規模修繕工事を実施するには、工事範囲を決めることやその部分の調査・診断が不可欠です。その上で、長期修繕計画書は、「いつごろ(修繕時期)」「どこを(修繕項目)」「どのように(修繕工法)」「いくらぐらい(修繕費用)」で修繕するのかを設計し、工事の実施に必要な図面や共通仕様書などを作成します。
 仕様書は一定程度絶対的なもので、いわば憲法のような位置付けとも言えます。
 ただし、足場を掛けてから外壁の状態が明らかになるなど、調査診断のときにはわからないこともあり、それを確認してから「どのように」修繕をするのかを決めていくこともあります。

 仕様設計はマンションの大規模修繕工事の改修を重ねたプロフェッショナルが行う、非常に熟練を要するものです。管理組合はそのことを念頭に仕様設計を手掛けられるプロフェッショナルいわゆる設計コンサルタントを選定する必要があります。
 大規模修繕工事工は、仕様書を基に工事を進めますが、それに沿って工事が進められているかを確認することが必要になります。それを工事監理といいます。
 仕様は、一定の理由があってつくった原則ですから、そのとおりに施工することが求められます。仕様書にプロットした製品等が廃番になったとか、同額でそれ以上の製品が出たので変更をするといった場合を除き、仕様変更は認められません。

 大規模修繕工事は現在、大きく2つの方式に分けられます。
 設計を、どのような立ち位置の人や会社が行うのかは、極めて重要なことです。

(1)責任施工方式(設計責任方式)
 「設計」と「施工」を一つの会社で行う方式を責任施工方式といいます。
よくある誤解は、設計監理方式より「設計」の費用がかからないので、その分安くなるというものですが、前述のとおり、大規模修繕工事を実施するには「設計」は不可欠ですから、「設計」しないということはあり得ません。
設計費用を安く見せるために、その分を施工費用に乗せていることはよくあり、そのような操作をし、あたかも設計監理方式より安いように見せている例が見られます。

 責任施工方式の場合、そもそも仕様書が明示されないままでの施工業者選定になりがちです。数社から見積もりが出されても、そもそも施工の範囲やその方法を明らかにする仕様がバラバラなので比較することはできませんから、金額を見て選ぶこともできません。
 施工会社が「設計」も「施工」も行うので、「設計」どおりに「施工」を実施したのかのチェックは曖昧になり、品質面でも不安が残りがちです。

 責任施工方式を選択する場合の最大のポイントは、よほど信頼を寄せられる施工会社であることはもちろんですが、前述のように、他社との比較検討をしないので競争原理が働かず、費用面で高止まりするなどを是認することが前提となります。
 大規模修繕工事をすすめる上で不可欠なのは、組合員への透明度の高い民主的運営が求められます。それがあって組合員の真の合意形成が得られますから、責任施工方式の場合は、とくに説明できるようにしなければなりません。 

 ただし、極めて特殊な施工の場合、ある施工会社がそれを得意としている場合などは、特命して発注することはあり得ますが、改修工事の場合はあまりありません。

(2)設計監理方式
 「設計」と「施工」を分離し、工事の監理も第三者(多くの場合、設計をした者)が行うので、透明性が担保されやすく、設計の意図が反映され、施工でのごまかしが避けられます。
 仕様書とは異なる品質の部材を使用したり、指定されている工法とは違う方法で施工することも問題であり、さらに、いわゆる手抜き工事などがあってはなりません。
そこで、大規模修繕工事では、工事中に仕様書どおり施工しているかを確認し、場合によっては是正などを求める立場の「工事監理者」を置きます。これは仕様設計した同一の技術者が行う場合が多く、施工会社との利害のない、第三者的な立場で工事監理を行います。

 よくある誤解は、「設計監理方式は設計を行うので、その部分の費用が余計にかかってしまう」ということです。先ほど述べたとおり、工事を行うにはどのような方式であっても「設計」は不可欠であり、それ無くしては工事を行うことは不可能です。
 いわば、地図をもたずに、あるいは、ナビゲーターがないまま、まったく知らない町のあるところを探すようなもので、それは探検的であり、遊びの要素もあって面白いとは思いますが、大規模修繕工事を進めるためには不可能です。
 大規模修繕工事では、「設計」はどのような方式においても必要なのです。

 気をつけたいのは、設計監理方式のメリットを利用しての不適切な行為です。これは、談合などを設計コンサルタント(会社)が主導するといったもので、4年ほど前に社会問題となりましたが、今でも密かに行われています。
 これを、設計監理方式のデメリットとする場合がありますが、方式のデメリットではなく、談合などを行う人や組織の犯罪的行為自体が断じられる問題であって、方式の問題ではないのです。弁護士が犯罪を犯した時、弁護士という役割自体が問題になるのではなく、その弁護士個人の問題であるとされるのと同じです。
 問題の根本に気をつけないと、設計監理方式の本質を見失うことになります。

4.施工会社の選定
 設計監理方式は、「設計」と「施工」を分け、工事監理も第三者が行うので、施工会社への牽制機能を持つことが大きなポイントですが、もう一つのポイントが、仕様書に基づいて施工会社を公募や推薦し、その選定を行うということです。
 公募や推薦によって施工会社に応募してもらい、書類選考の後、仕様書を渡しそれを元に見積もりに参加してもらいます。
 共通の仕様書に基づいた見積もりなので、管理組合はその金額の比較が容易になります。これらを「見積もり合わせ」と言います。これは、最安値だからその会社にするとは限らず、現場代理人の経験や人柄、会社としてのバックアップ体制なども考慮に入れて施工会社を選定するのです。
 よく「入札」ということばが使われますが、これは最安値の会社が自動的に落札するということですから、入札とは基本的に違います。
 設計監理方式における最大のメリットは、施工会社選定における競争原理が極めて担保され、加えて、主導する委員会による透明度の高い運営によって、管理組合にとって有意な方式であると言えます。

 同じ大規模修繕工事なのに、設計監理方式は競争を促し、責任施工方式は最初から一社に決めてしまうので工事費等の妥当性に疑問が残ります。

5.設計コンサルタントの選定
 設計や工事監理は、マンションの大規模修繕工事の改修を重ねたプロフェッショナルが行う、非常に熟練を要するものです。管理組合はそのことを念頭に仕様設計を手掛けられるプロフェッショナルとしての設計コンサルタントを選定する必要があります。
 設計コンサルタントは、設計して仕様書を作成し、それに基づいて工事が行われているかを監理するという、大きく2つの仕事を行います。その両方は一般的には同じ人が行います。自ら設計した仕様は誰よりも自分自身が一番よく知っているので、合理的といえます。ここで重要なのは、設計コンサルタントと施工会社はまったく利害のない関係であるということです。
 それらの立ち位置をしっかりと保っているコンサルタントを選定しなけらばなりません。
 さらに、不適切な行為、具体的には談合を主導したりするなどのコンサルタントではないのか、吟味する必要があります。
 管理組合の利益を考えるのは当然ですが、管理組合に苦言を述べてくれるような、管理組合の真の利益を捉えて伴走してくれるプロフェッショナル・コンサルタントが望ましいのです。

・真のプロフェッショナルであること。
・管理組合の利益を第一に考えていただけること。
・不適切な行為をしていないこと。        

 理事や修繕委員は、様々な勉強会に参加して知識やスキルを向上させ、それによってコンサルタントを選定する目も育つのではないと思います。



【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】
 マンションの大規模修繕工事においての施工方式には、設計監理方式と責任施工方式があり、それぞれメリット、デメリットがありますが、区分所有者に説明責任が果たせる方式としての設計監理方式の採用が望ましいと一般的には考えられている。
 施工会社の選考等が適正に行われるならば、この方式は妥当な工事方式と言えます。ただ、昨今の不適正コンサル事例(主として設計コンサルと施工会社の癒着)によって設計監理方式も問題あるのではないかとの声も出てきており、発注者のもとでコンストラクションマネージャーが、設計・発注・施工の各段階において、設計の検討や、工程、管理、品質管理、コスト管理などのマネジメント業務を行うCM方式も浮上しています。どのようにすれば適正な設計コンサルタントを選考することができるかの絶対的な法則はない。ただ、施工会社の選定と同様に、設計コンサルタントの選定においても「競争の原理」を働かせての選考が大切であり、それに要求される条件としては、
 ①マンション大規模修繕工事に関する実績があるか
 ②今回予定している改修工事についての技術や実績があるか
 ③管理組合の運営について知識やビジョンがあるか
 ④コンサルタント費用の報酬が明確であるか
 ⑤管理組合とコミュニケーションがしやすいか
というようなものがあると思われる。
 重要なことは、管理組合がコンサルタントに任せきりにすることなく、主体者として協同で工事をすすめていくという自覚を持つことであるといえましょう。
管理組合としては、窓口を一本化して、業務範囲、その責任の範囲を明確にし、疑問点には十分な説明が求め得るという関係の構築がコンサルと付き合う上で必要です。
 その点で、大規模修繕工事以前からも、竣工後もマンションのホームドクターとして付き合えることを選考条件とすることもあるでしょう。
 大規模修繕工事において不適正な行為が発生する段階は施工会社の選考にあると言われていることから、その応募条件、応募方法、選考方法について管理組合として細心の注意を払うことが必要であろう。そのために応募にはマンション管理新聞や建通新聞に募集を掲載し、民間(旧四会)連合協定マンション修繕工事請負契約約款書式を使用すること及び大規模修繕瑕疵担保保険の加入することをコンサルタントに説明することが必要である。
 また、特段の技術的要求が必要のないにも関わらず施工会社の応募条件に入れるとか、あるいは応募条件以外の条件を施工会社選考に主張するようなコンサルタントの行為は注意が必要である。建物全般として、セカンドオピニオンを「すまいるダイヤル」等の相談窓口に求めることも考えられる。



【NPO匠リニューアル技術支援協会】
 何故、コンサルタントが必要なのか。
管理組合理事の多くは1年から2年で交代する為、管理規約・細則等を熟知する事が難しく、修繕工事に対する専門的知識が不足していると考えられる。
また、委託会社が適正に業務を遂行しているかの確認ができず、委託費が適正か判断できない。
管理組合が、建物・設備の維持・保全を建物寿命まで総合的、継続的、経済的に行うために設計監理コンサルタントが必要と考えられる。
以下に、信頼できるコンサルタント会社を選ぶ基準を記す。

【設計監理コンサルタントの選定チェック項目】
 1 調査・診断・設計・監理を外注せずに統括して、専任可能な会社社員である。
 2仕様書に施工品質管理基準を明確に記載し、工事監理時に厳正な検査を実施している会社(材料使用料、膜厚検査、工程検査等)
 3コンプライアンスを重視している会社。
4 マンション寿命までの長期修繕計画を立案可能である。
5 大規模修繕工事コンサルタント業務を2回以上経験している。
6 大規模修繕工事を15年以上の周期で設定している。
7 同一管理組合からのリピート依頼が多く、管理組合から信頼されている。
 
 以上をチェックしたら、当該会社が実際に設計監理した物件を見学すべきである。

8 大規模修繕工事実施後10年経過物件を見学する。

 見学することによって、その会社の信頼度及び管理組合の満足度がわかる。品質管理が重要であり、劣化状況・保証期間の点検対応・再故障の有無等を確認する。

 投稿日時: 2020-10-20 (429 ヒット)
【設問】
 コロナ感染症禍のなか、管理会社から消防設備点検と排水管清掃作業を実施するとの予告がありました。この予告を聞いた住民からこのような時期に、部屋うちに入るようなことは中止すべきでないかとの申し入れが理事長にありました。この住戸の言い分は、消防設備点検では、火災報知機の機器の作動確認のためにすべての部屋に入り、また清掃作業にあたっては、作業員が入室するだけでなく、廊下に作業シート引きつめ、実施するが、このシートは使いまわしするので、感染する恐れがあるということであった。そして、理事会が実施を強行するならば、入室を拒否したいという住戸もかなり出ています。
 管理会社は、定期総会での決定事項であり、消防設備点検は法定点検であるので中止は難しいということで、細心の注意を図り実施したいということでした。理事会は、会場もなく開催することができません。
 しかし、理事長として反発があっても管理会社からの提案通り実施するのか、あるいは中止すればよいのか、どのように対応したらよいのでしょうか。

【回答団体】
 ・一般社団法人埼玉県マンション管理士会
 ・NPO日本住宅管理組合連合会

【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】
 住居に立ち入りが伴う設備点検として実施される消防設備は、火災報知機と住戸内ではないが、専用使用権のあるベランダに設置されている避難はしごである。これらを含む消防設備については、機器点検と総合点検により年2回点検し、消防長に報告義務がある。
 火災報知器は、火災を自動的に感知し、音響装置で火災の発生を報知するとともに、火災の発生場所を管理事務室に設置されている受信機に表示し、住民を安全に避難させる対応を促すシステムとして重要な共用部分の設備である。一部専有部分の火災報知等の消防設備の不具合があり、火災が起きた場合はマンション全体の住民の避難に影響を与えることも考えられる恐れがあり、消防法で点検し、報告義務を課していることの必然性があるといえる。
 しかしながら、強力な感染力を持つコロナウィルス感染症の拡散という昨今の状況において、コロナウィルス感染を防衛する観点から消防設備点検の専有部分への立ち入りを拒否したいというマンション住民の相談が寄せられている。管理組合として未だワクチンもなく無症状の感染者も存在するというコロナ禍にあっては、消防用設備の点検報告・届出等を実施することが困難な場合が想定される。
 このような設備点検をめぐる状況のことから、その際の運用について総務省消防庁より「消防予104号」という事務連絡が発出されている。
 その内容は、消防設備の点検や届出をしないことは、当然に消防法に違反することになることを前提に、「違反を是正するための措置が困難な場合は、当該事情を勘案した上で妥当な期間を設定し、又は必要に応じて期限を延長するなど、弾力的に対応されたい」としている。また、「違反期限が長期となる場合」や、「違反処理を留保する場合は、違反対象物の状況や地域事情に応じた適切な安全対策措置を講じられるよう指導されたいこと。」と助言している。
 管理組合としても、設備点検しないことは「消防法に違反する行為である」、「スケジュール的に決まっている」とし強行的な立ち入りを住民に迫ることなく、どのような条件であれば実施できるか話し合いを行い、弾力的に運用されることが望ましいと思われる。長期に延長する場合にはあらためて当該マンションにおける消防計画の安全対策措置を理事長、防火管理者により行う必要である。
なお、専有部分に立ち入る排水管清掃についても、運用について管理組合の責任で弾力的に対応することが望ましい。



【NPO日本住宅管理組合連合会】
 コロナウイルス感染防止には、「意識」と「対策」の2つが不可欠です。前提として、ある程度の居住者の安全・安心を担保することで設備点検等への協力を容易にできますから、管理組合は、業者に対する(社員や下請け業者)教育を求めることが不可欠です。ただし、行き過ぎないことです。
 「密閉」「密集」「密接」の「3密」を避けるための対策やマスクの着用、玄関ドアをはじめ、触れた箇所の消毒など、手間も時間も少しかかりますが、必要なことだと思います。
 管理組合としてのガイドラインも設定し、居住者の安心を得ることも必要です。
 一つの実験のような部分もあり、日々アップデートしながら、納得のある対策をとっていくことが必要になります。
 ガイドラインの基本は管理組合(理事会)の意識づくりです。コロナウイルス感染防止にとって必要な「密閉」「密集」「密接」の「3密」を避けることと、それぞれの具体的な施策を示すことが必要です。
 コロナウイルスの感染は飛沫感染と接触感染が考えられており、「うつさない」「うつらない」という意識と対策が欠かせません。

 次にガイドラインの要件を示しますので参考にしてください。
 ・作業員同士が「密接」しないこと。
 ・作業員も居住者もマスクを着用すること。
 ・接触した箇所をアルコール消毒をすること。(行える箇所のみ)
 ・「密閉」に気をつけ、換気を十分にするために、玄関ドアと窓を大きく開けることをすすめること。
 ・施工終了後の印鑑が必要な場合、居住者が印を押すこと。

 大切なのは業者任せにせずに、居住者と業者の安全について、管理組合がある程度関与することです。

 厚生労働省のホームページを参考にされるとよいと思います。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html#h2_1

 投稿日時: 2020-10-20 (1408 ヒット)
【設問】新型コロナウイルス感染期に管理組合の総会、理事会を開催する場合の 注意点を知りたい。

【回答団体】
 ・NPO埼玉マンション管理支援センター
 ・NPO日本住宅管理組合連合会
 ・NPO埼管ネット

【NPO埼玉マンション管理支援センターの回答】
1.通常総会を区分所有法又は標準管理規約の定めに則り開催することについて。
 会場が今までのようには、座席が確保できず定員の1/2~1/3にし、参加者の感染防止のため3密を避ける工夫もしなければならなくなります。
(集会の招集)区分所有法第34条2項の「管理者は、少なくとも毎年1回集会(総会)を招集しなければならない。」との規定のとおり管理者に義務付けられた毎年1回の集会(総会)の招集が行われます。
 また、管理者の事務報告(区分所有法第43条)も集会で行うことになっています。第43条(事務の報告)「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。」との規定があります。
 【事務の報告】とは、管理者の事務に関するもの、管理者の業務全般で具体的には管理組合の運営および建物管理の両面における当年度の業務計画に沿って実行した業務の成果や結果、地震や台風などの突発事項等の業務計画外事項、および当年度予算の実行報告、収支決算、次年度業務計画、また次年度予算等の報告がこれに該当します。裁判で原告または被告となったときの区分所有者への報告義務もあります。
 通常総会は、マンションの各階からX名程、新旧の役員の方々が出席し、総会を開催し、組合員には委任状、議決権行使書を事前提出いただき書面投票することを考えるべきと思います。
 新型コロナウイルス感染症拡大予防に関する、国・地方公共団体のガイドライン(標準的対策)に則り、管理組合理事会は総会・理事会の開催時のウイルス感染防止策を以下のように立案し、参加者の安全を図ることとしました。(参考にして下さい。)

○参加者向け対策
 参加組合員の定員を1/2~1/3に減じ、組合員間距離を確保する。
 入場時の非接触検温の実施
 会場入り口部分に消毒備品を設置、来場時の手指消毒の徹底
 会場内はマスクの着用を義務付ける。

○施設環境整備
 共通エリア、総会会場の什器・備品のアルコール消毒
 出入り口、窓等の開口部の解放、換気を実施
 
○会場運営スタッフの感染予防策
 運営スタッフの非接触検温の実施
 運営スタッフの手指消毒の実施
 運営スタッフのマスクの着用を義務付ける。
 
○以下に該当する場合は当日の参加を見合わせていただきたい。
 発熱・咳・喉頭痛を含む風邪のような症状や体調不良の方
 現在ご家族や職場を含む身近な方が自宅等での待機を要請されている方
 
2.通常総会を開催せずに書面による決議を行うことについて
 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、組合員の健康・安全を考え、総会を開催しないで、書面投票だけで議案を議決してしまうことを考えますが、確かに、区分所有法第45条「この法律又は規約により集会において決議すべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。」と定めています。
 書面決議等は集会(総会)の決議を代替する効果はありますが、区分所有法第34条2項の「管理者は、少なくとも毎年1回集会(総会)を招集しなければならない。」との規定のとおり、集会(=総会)が開催されていませんので管理者に義務付けられた毎年1回の集会(総会)の招集が行われたことにはなりません。
 また、管理者の事務報告(区分所有法第43条)も集会で行うことになっています。第43条(事務の報告)「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。」との規定があります。事務報告が行われたことにはなりません。通常総会の開催を行わず、書面決議を行っても総会自体が無効となります。
 
3.通常総会の開催を管理規約に定めた期間から延期することについて
 通常総会の開催時期について、標準管理規約第42条第3項「理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならない。」と定めています。
 しかしながら実際には、災害発生の場合等には、やむを得ず期間内に総会を開催できないこともあり得ることです。今回の感染拡大についても、これに準じて、総会を開催するリスクや組合員の安全等も勘案して、期間内の開催が可能か否かが検討されるべきものと考えられます。
 
4.通常総会開催の延期の決定機関について
 緊急事態の対応として、やむを得ず期間を超えて総会を延期せざるを得ないと判断する場合には、管理組合の業務に当たる執行機関である理事会で通常総会の開催を延期することを決議することになります。総会の開催を先送りすること、及び総会の延期については、理事会において決定することができます。理事会は総会提出議案を定められる以上(標準管理規約第54条1項4号)、その時期についても定めることができます。組合員には、緊急時の組合員の安全、安心のために、やむを得ない対応であることを理解してもらう広報を行う必要があります。
 
5.通常総会を延期する場合に必要な手続きについて
 一例として、次のような手順が考えられます。
1)理事会を開催し、緊急時のやむを得ない対応として、通常総会を延期することと併せ、その間の管理組合の運営は次のように行うことを決議する。
 ア 総会で後任役員が就任するまでは現役員が職務を行うこと(標準管理規約第36条3項)
 イ 総会で次期収支予算が決定されるまでは、今期収支予算に従い、予算執行すること(標準管理規約第58条3項)
 ウ 管理会社との委託契約については、従前契約と同一条件での暫定契約を締結すること((一社)マンション管理業協会発行「マンション管理会社の感染症等流行時対応ガイドライン」を参照)
2)組合員に対し、理事会で決議した事項(通常総会を延期すること、ア、イ、ウ)を通知する。※通知と同時に通知内容を掲示板等に掲示することとする。
3)理事長は、通常総会の開催を延期すること等に関する組合員からの問い合わせ、異議等については真摯に対応する。
4)その後、総会を開催できる状況になった場合には、可及的速やかに総会を開催し、前期役員が継続して職務を行ったこと、前期収支予算に従い通常の業務を執行したこと、管理会社との委託契約については、従前契約と同一条件での暫定契約を締結したことを報告するとともに、改めて、新役員選任、収支予算、委託契約更新について決議することが必要です。
 
6.通常総会の開催を延期した場合の法的問題について。
 区分所有法においては、前述1.のとおり管理者又は理事が少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないとされ、集会において毎年一定の時期にその事務に関する報告をしなければならないとされていますが(区分所有法第34条2項、第43条、第47条 12項、第66条)、法務省民事局からは「今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、前年の集会の開催から1年以内に区分所有法上の集会の開催をすることができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後、本年中に集会を招集し、集会において必要な報告をすれば足りる」との見解が示されています。(法務省HPから)
 
7.通常総会を延期した場合の管理会社との委託契約更新の方法について
 緊急時の対応として、理事会で、従前契約と同一条件での暫定契約を締結することについて決議する方法が考えられます。<5. 1) ウ (一社)マンション管理業協会発行「マンション管理会社の感染症等流行時対応ガイドライン」を参照>
 この場合には、理事会決議より暫定契約を締結することについて、管理会社と事前に協議し、理解を得ておくことが大切です。その後、総会を開催できる状況になった場合には、管理会社と従前契約と同一条件での暫定契約を締結したことを報告するとともに、改めて、委託契約更新について決議する必要があります。<5. 4)参照>
 
8.理事会の開催について
 理事会の役員(理事、監事)数は組合員数の1/10~1/15程度である。マンションの住戸規模にもよりますが、区分所有法45条の規定により、理事会役員全員の合意が得られれば、書面決議ができます。事前に理事会議案書を役員に配布し、議決権行使書による理事会決議が成立します。理事会開催による役員の方々の新型コロナウイルス感染を防止するためにも役員が一同に会することは避けたいものです。
 
【参考文献】 以下の情報を引用しました。
(公財)マンション管理センター
「新型コロナウイルス感染拡大における通常総会開催に関するQ&A」 2020.3.27
法務省 HP 「マンションの管理組合等における集会の開催について」2020.4



【NPO日本住宅管理組合連合会の回答】
 総会は参加を制限をするなど、ごく少数で開催するなどした管理組合が多いようです。
 理事会は集会所の広さによっては、とくに十分な対策をとって行う必要があります。

 管理組合を訪問して感じるのは、「密閉」「密集」「密接」の、いわゆる「3つの密」を避けるように工夫している場合と、それが中途半端になっている場合があることです。
 訪問をしたときに、換気ができていない集会室のでの打ち合わせでは、やや危険を感じることもあります。さらに、対面する理事さんとの距離が近く、不安を感じることもあります。
 管理組合の総会を始め理事会や委員会を開催するときに注意したいのは次のことです。
 
 「密閉」を避けるには、換気をしっかりと行うこと。
 「密集」を避けるには、部屋の広さに応じた人数になっているか。
 「密接」を避けるには、人との距離をきちんととること。

 飛沫感染や接触感染に注意することで、感染リスクは低減できると言われています。そのためには、「密閉」「密集」「密接」の、いわゆる「3つの密」を避けることをマンション居住者に定期的に啓発することが欠かせません。
 エレベータの乗り降りでタッチするボタンなど、感染リスクのある部分の接触は、爪側の第二関節で押したり、階段や手すりはテュッシュペーパーなどを使い、それを丸めてしまい、後で適切な場所に捨てます。

 集会所の入り口に消毒用アルコールや非接触型の体温計を設置している管理組合もあります。さらに「密接」を避けるように透明アクリル板で飛沫が人にかからないように、きめ細かな対策をとっている管理組合もあります。
 マスクの着用は欠かせません。
 集会所は換気を十分にすることが必要です。換気は対面する2方向のドアや窓を開放することで換気が十分になります。多くの管理組合で、不十分さを感じます。
 
 コロナウイルス感染防止に関して、“彩の国「新しい生活様式」安心宣言“が埼玉県のホームページにありますので、参考にしてください。



【NPO埼管ネット】
 初期段階に個々の管理組合が取り組むべきことは、地域の自治体、政府機関、専門家組織団体が発信する情報をいち早く入手し、新型コロナウィルスへの感染拡大防止に配慮した行動を取るために、実行可能なルール(出席者の健康状態の確認・集会場所の換気・マスクの携行・手指や使用した机椅子などの消毒)を定め居住者全員で実行することが肝要です。
 通常総会を行うためには次年度の活動計画などの様々な資料を作成するための作業期間が必要ですが、感染期に各理事役員が長時間の作業を行うことにより三密となる状態をつくることは避けたいものです。緊急避難措置として通常総会や理事会の開催は規約に拘らずに、開催時期を延期することも時として必要です。また、議案についても長時間の議論を要するものは極力避け、議決権行使書・委任状の提出を促し、直接総会に出席することを極力控えて頂くことを事前に居住者へ周知することが必要です。
 一方、理事会活動は新型コロナウィルス感染拡大を恐れて一切の活動を停止する訳にもいきません。感染期に対面で理事会を開催する場合には、あらかじめ審議する議案を限定し、45分程度の短時間で会議を終了させることにより三密を避ける行動につながります。
 そのためには事前に議案毎に少人数で分科会を開き、個々の分科会担当者と理事長が情報を共有した上で他の理事へ意見を求め方針を定めるなどの対応を行うことが必要になるのではと考えます。
 また、これからの理事会の在り方について、新型コロナウィルスが終息するまでには数年は掛かることを念頭に置き、「オンライン会議による理事会」或いは「オンライン会議を併用した理事会」を正規な理事会会合とするために「Web会議システム運用規則」等を作成し理事会の持続可能な開催方法の道を探ることも必要ではないかと思われます。

 

 投稿日時: 2020-02-04 (907 ヒット)
 築30年40戸のマンションで管理組合の役員(理事)をしています。
 当マンションの居住者の一人が、18時から約1時間 3名の児童を預かっているが、他の居住者から「住居専用」に反しているのではないか との指摘を受けました。
 近隣の分譲マンションに住む友人から「自分のマンションでも学習塾を行っている居住者がいる」との話を聞いたが、どのように対応したら良いでしょうか?

 投稿日時: 2020-02-04 (731 ヒット)
 当マンションは販売当初は、全員区分所有者が居住しておりましたが、築10年を過ぎた頃から、駅からの利便性も良いので賃貸化が進みはじめました。
 現在50住戸のうち5住戸が賃貸されておりますがそのうちの2件が、管理費などの滞納をしております。1住戸はすでに50万円も滞納しており、現在支払い督促の手続きを進めております。もう1件は滞納が6か月分になると、3か月分の支払いがされますがまた3か月を滞納して同じようなことが繰り返されております。
 今後も賃借化が進むと思われるので、不在区分所有者の管理費等の滞納を防止する良い方法があれば教えて下さい。

 投稿日時: 2020-02-04 (3096 ヒット)
 マンションの居住者の永住化志向の増加と、高齢化が進む中で、管理組合の役員のなり手不足も大きな問題となっており、管理組合のスムースな運営にも支障をきたしております。管理組合活動の適正化とこの役員のなり手不足についてどの様な対策を講じたらよろしいでしょうか?

 投稿日時: 2018-12-12 (880 ヒット)
 一部の設計コンサルタントが不適切な行為を行なったという話を耳にしたが、具体的にどのようなことなのか知りたい。また、施工会社にも不適切行為を行う会社があるのかを知りたい。それぞれを選定する際に、いくつかの会社に見積もりを提出してもらい、その中から選定しようと考えているが、その入札はどのように行なったらよいのか。

 投稿日時: 2018-12-12 (983 ヒット)
 管理会社の影響力が強く、理事会が何も言わないことをいいことに、管理会社がやりたい放題やっているように感じる。
 フロントは理事会に出席し議事録も作成するが、その内容には疑問がある。決めていないことが決めたことになっているなど、事実と異なっている。大規模修繕を始め、さまざまな提案と見積もりに不安もあるが、「理事会で決まったんだから」理事長として印を押すようフロントに強く求められ、つい押印している。「判子を押したんだから、やらないとダメですよ」とフロントに言われて困っている。管理会社の適正な業務の履行を促すにはどうしたらよいか。

 投稿日時: 2018-12-12 (1375 ヒット)
 管理組合の理事です。
 「地域コミュニティに配慮した居住者間のコミュニティ形成~」というあいまいな表現が拡大解釈され、管理費の使途についてトラブルが生じているとの見解の下、国交省は標準管理規約(H28年3月)を改正してコミュニティ条項を削除したのでは?と思っています。
 しかしながら、高齢の1人暮らしの居住者が増える中、今まで以上にコミュニティ形成が重要と考えます。管理組合としてコミュニティ形成促進の方法があれば教えて頂きたい。

 投稿日時: 2017-12-18 (1419 ヒット)
 築15年で60戸のマンションです。屋上に携帯用アンテナ設置、駐車場は平置きと機械式の併用駐車場で50台駐車可という現況です。以下の2点について教えていただきたい。

【質問①】
 マンション屋上に携帯電話会社のアンテナを5年以上前から設置している。最近になって税務署から「管理組合の収益事業にあたるので税申告しなさい」と言われた。
 アンテナ設置が収益事業にあたり、納税する必要があることを税務署から言われるまで全く知らなかった。しかも5年前から1度も督促もしていないのに、5年遡って延滞料もとると言われた。延滞料まで支払うのはとても納得いかない。

【質問②】
 最近、大型車に買い替えや、高齢化による車離れで空き駐車場が増える傾向にある。
 このままでは、機械式駐車場のメンテナンス等に支障きたすことになるので、一部外部貸しが可能か検討している。仮に一部外部貸しするとして、これは収益事業(課税対象)にあたるのでしょうか?又、それに伴う問題点があれば教えて頂きたい。

 投稿日時: 2017-11-02 (4114 ヒット)
 築25年80戸のマンションです。昨年4月頃から給湯管の経年劣化による漏水事故が相次いで発生しました。昨年3件、今年2件計5件となっています。
 今年の漏水事故の内、特に被害が大きかったのは305号室の漏水事故で、下階205号室だけでなく104号室迄被害が拡大してしまいました。
 管理組合としてもマンションの土地建物、設備等の維持管理をする立場から、「専有部分である給湯管の更新をするかどうかは各区分所有者の自主判断」では済まないと思っています。
 管理組合として給湯管の経年劣化に対する対応を今後どのようにしたらよいでしょうか?
 また、給排水管の改修を考えていますが、専有部分はその区分所有者の負担でやるのが良いのか、修繕積立金を使っても良いのか、悩んでいます。他の管理組合ではどのように行なっているのでしょうか。

 投稿日時: 2017-11-01 (2033 ヒット)
 駅近の築20年、110戸、15階建てのマンションで、管理形態は全面委託です。直近で続けて75歳(死因不詳)と57歳(脳梗塞)の共に女性が孤立死しました。57歳の女性は町内会の活動にもよく顔を出し活動的な方で亡くなられたことが信じられなかったそうです。郵便受けに新聞が溜まり、それに気づいた近隣の方が管理会社を通じ緊急連絡先の親族から警察に通報し、警察官が立ち入った結果、死後10日も経過していたとのことです。
 管理組合としては、現在防災対策も兼ねて規約及び細則により居住者名簿・緊急連絡先を作成し、年1回変更の有無を確認しており、長期に不在する場合は管理組合に届け出るようにもしており、また孤立死を防ぐために65歳以上の単身世帯には管理組合に届け出てもらうようにしているが(現在110戸中8戸)、他に何かよい対策はあるのでしょうか。

 投稿日時: 2017-07-06 (1934 ヒット)
 築40年の25戸の通りに面した分譲マンションですが、マンションの外壁にボルトで固定した看板が4つあり、1~2階にある4つの事務所の名前がそれぞれ入っています。それらの看板の所有者や設置された経緯等について住民や事務所に聞いても全く分かりません。
 経年で看板が落ちて下を通る人に怪我をさせた時、誰が責任を負うのでしょうか。
 また、万が一を考えてこれら老朽化した看板を取り外すことを管理組合として考えていますが、反対する事務所があった場合にはどのように対処したらよいのでしょうか。

 投稿日時: 2017-07-06 (2271 ヒット)
 10階建てマンションの503号室を昨年9月に投資目的で購入したオーナーは外国人です。購入して間もなく専有部分の大改造工事に着手し、工事最中にやっと専有部分の改造の許可申請書を提出してきました。理事長は、改造内容が申請書どおりか確認するためにオーナーと連絡を取ろうとしましたが、なかなか連絡が取れず室内立入り調査ができないうちに室内の改造工事が完了してしまいました。
 新年早々、外国人と思しき人たちが503号室を入れ替わり訪れるようになりました。オーナーの妹が近くに住んでいることがわかり、兄に代わり妹から改造内容の説明を受けたところ、①室内を5つに間仕切りし、②洗濯室をシャワールームに改造、さらに③民泊のあっせん業者(IT企業)に5部屋として登録した、との驚くべき内容でした。

 一方、301号室は別の外国人オーナー。3階居住者の目撃情報によれば複数の外国人が1~2か月程度で入れ替わっているとの事。どうやらシェアハウス(脱法ハウス)を運営しているようです。管理組合が警察や消防署に相談しても、オーナーは日本語が通じず事態は一向に改善しません。

 管理規約では、(専有部分の用途) 「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」と定められているので、規約違反の使用方法だと思うのですが、場合によっては原状回復を求め、シェアハウスの運営も中止させたいのですが、管理組合としてどのように対応すべきか教えて頂きたい。

 投稿日時: 2017-07-06 (1356 ヒット)
 築35年のマンションです。昨年8月、屋上の給水管露出部分から漏水事故が発生しました。
 応急処置した業者は「今後、いつどこから漏水事故が起きても不思議ではない」との説明がありました。管理組合としては専有部分含めた給水管の一体化更新工事が急務と考えていますが、区分所有者の一部から「年金生活なので一時金徴収などの自己負担は困る。自己負担しなくて済むなら更新工事の事業案に賛成する」との強い要望が出されました。
 専有部分含めた給水管更新工事の資金として修繕積立金を取り崩しできるようにし、かつ金融機関からも融資を認めてもらえるようにしたい。
 管理組合として管理規約改正も含め、どのように対応したらよいでしょうか?

 投稿日時: 2015-03-03 (3732 ヒット)

 マンションの1部屋を所有しており、不動産屋を通して賃貸に出しています。3日前にその部屋の上階で火災があり、その消火活動のための放水により、壁や床の絨毯及び応接セット・ピアノ・タンス等の家具類が被害を受けました。漏水するような部屋に問題があるとして、部屋の早々の修復と家具類の損害額として200万円の請求を借主から受けましたが、どのように対処したらよいのでしょうか。

 ※ 本設問のような事例は、マンション管理組合の業務に含まれません。損害賠償請求は、民法等が適用されます。よくある事例ですので一般論として各団体に回答いただいています。あらかじめご承知おきください。


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