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管理規約
管理規約 : 第9回:窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部について
 投稿日時: 2010-01-26 (1785 ヒット)

 築30年のマンションで、30年前の分譲時の管理規約のままで一度も改正していません。この規約には、窓枠、窓ガラス、玄関扉について何も規定していません。この場合、これらは 専有部分になるのでしょうか、共用部分になるのでしょうか。
 今後、規約を改正したいと考えていますが、窓枠、窓ガラス、玄関扉は専有部分とすべきでしょうか、共用部分とすべきでしょうか。
 規約で共用部分とした場合の維持管理について教えてください。

■ 一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答
■ NPO日本住宅管理組合協議会埼玉支部の回答
■ NPO埼玉マンション管理支援センターの回答

 


【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】

 マンションの建物部分は専有部分と共用部分に区分されます。専有部分は区分所有権の目的となる建物部分をいい、建物のうち専有部分を除いた部分はすべて共用部分です。従って、建物部分は専有部分か共用部分のいずれかであり、いずれにも属しない部分はありません。ところが、区分所有法には専有部分と共用部分の範囲の定めがないため、天井、床、壁、玄関扉、窓枠、窓ガラス等の構造物がどちらに帰属するか判断できません。そこで、管理規約で専有部分と共用部分の範囲を明記する必要があります。

標準管理規約では、天井、床及び壁は躯体部分を除く部分を専有部分、玄関扉は錠及び内部塗装部分を専有部分とし、窓枠、窓ガラスは専有部分に含まれないものとしています。これは、利用制限を付すべき部分及び複数の住戸によって利用される部分を共用部分とするという考えによります。利用制限を付すべきとは、外観の保全(例えば、窓ガラスや玄関扉に広告等を出したり、勝手に色を塗りかえるとマンションの美観がそこなわれ、統一性がなくなる。)や主要構造物の変更禁止等を意味します。
 管理規約を改正して窓枠、窓ガラス、玄関扉について定める場合には、外観の保全や変更禁止の観点から標準管理規約を参考にして共用部分とすべきです。

 共用部分は共有部分であり区分所有者全員が使用する権利がありますが、窓枠、窓ガラス、玄関扉のように構造上特定の区分所有者しか使用できない部分については標準管理規約では専用使用権を認めています。専用使用権とは、敷地及び共用部分等について特定の区分所有者が排他的に使用できる権利であり、専用使用権の対象となっている部分を専用使用部分といいます。

 窓枠、窓ガラス、玄関扉を共用部分とした場合には管理組合がその責任と負担において管理することになりますが、窓枠、窓ガラス、玄関扉は特定の区分所有者が排他的に使用できる専用使用部分であるため、標準管理規約では通常の使用に伴うものについては専用使用権を有する者の責任と負担において管理しなければならないと定めました。通常の使用に伴う管理とは清掃や窓ガラスが破損したときの取替え等です。従って、管理組合が行う管理は通常の使用に伴う管理以外の管理で、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについて計画修繕する場合です。

 又、窓枠、窓ガラス、玄関扉を共用部分とすると区分所有者が勝手に改良工事を実施できなくなります。しかし、空き巣被害や結露による健康被害等緊急かつ重大な必要性が生じている場合には改良工事が必要です。そこで、標準管理規約では細則を定めることにより、専有部分の修繕等における手続と同様の手続により区分所有者の責任と負担において防犯、防音又は断熱等のための開口部等の改良工事を実施できるものとしています。


【NPO日本住宅管理組合協議会埼玉支部の回答】

 質問は三点ありますので、順次みていきます。第一点ですが、規約に何の規定もないのですから、基準となるのは区分所有法(マンション法)です。区分所有法では、建物(マンション)のうち「区分所有権の対象」になるのが専有部分で、それ以外の部分が共用部分だと定義しています(第2条)。また、第4条では、「数個の専有部分に通ずる廊下又は階段部分その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分」は共用部分であるとし、そのほかに建物の部分や附属の建物を規約によって共用部分とすることができることも規定しています。しかし、これだけでは窓枠や窓ガラス、玄関扉がどうなるかは、まったく不明で、あいまいなままです。法律ではマンションの各部分は、専有部分か共用部分かどちらかですから、あいまいなままで決まっていないというわけにもいかず、どちらに属するか判断しなければなりません。

 その場合、規約には規定がありませんが、すでに30年にわたっての管理組合の運営の実態があるわけですから、その実態から判断するのが本来の筋です。しかし質問では運営の実態は分かりませんから、これだけの質問では、専有か共用かのどちらだという結論をつけることはできません。かりに窓ガラスが破損したばあい、色も種類も違うものをいれてもよい、窓枠や玄関扉がこわれたときも今までと違うものに変更してもよい、費用も個人負担だというような運用がされていたとなると、すべて専有部分とされていたといってもいいと思います。ただ、こういう運用になっているところはほとんどないでしょう。

 いま法規範として広く通用している国交省のマンション標準管理規約では、窓枠と窓ガラスは共用部分、玄関扉は「錠及び内部塗装部分」が専有部分で、その他の部分が共用部分となっています。また、標準管理規約は、「窓枠や窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事」を計画修繕として実施することも、かさねて規定しています。規約のない場合も、おそらくこれに近い運用になっているのが実情だと思われます。ですから、ほとんどの場合、専有、共用の区別は標準規約どおりとなっていると思われます。


 第二点では、規約を改正する場合ですが、標準規約通りにすればよいと考えます。ただし、これはあくまでも標準であって、管理組合の方針によって規約で自由に決められる部分ですから、全部専有部分にすることも、全部共用部分にすることも、その中間の内容にすることも、できないわけではありません。


 規約で共用部分とした場合(玄関扉は、標準規約どおり、錠と内部塗装を専有部分とした方がいいと思いますが)でも、修繕に要する費用の負担はすべて管理組合だということにはなりません。とくに窓ガラスは、使い方や過失で割ってしまうことは多く、窓ガラス修理の費用負担は区分所有者と決めているところも多いと思われます。これは、規約でなく、細則で「窓ガラスをこわした場合の修理費用は区分所有者」「仕様は、理事会の許可を受けた場合を除き、材質・色などすべて修理前と同一であること」などを明確に定めておくことがいいと思います。窓枠、玄関扉についても、定期の大規模修繕以外に個人に原因のある場合の直しは区分所有者の負担、その他は管理組合負担とキチンと決めておくことが必要です。

 


 なお、同じようなものとして網戸や雨戸がありますので、これについても述べておきます。網戸や雨戸は、当初から建物に設置されているものは、窓枠や窓ガラスと同様、共用部分と考えてよいと思います。これにたいして、マンションによっては、当初は設置されておらず、居住者が任意に取り付けてもよい(管理組合の許可が要るばあいが多いのですが)というところがあります。これについては、専有部分として取り扱わざるをえません。

 このばあい、共用部分である窓枠や窓ガラスより外側に設置しますので、大規模工事などで邪魔になる場合には、居住者の費用で取り外すなどの取り扱いが必要になることがあります。



【NPO埼玉マンション管理支援センターの回答】

① 管理規約に何も規程していない場合の「窓枠、窓ガラス、玄関扉その 他の開口部」は、専有部分、共用部分のいずれになりますか?

→ これから管理規約で決めることになり、現段階では、いずれとも言え ません。ただし、専有部分に付属するものですので、多くの場合専有部 分と、同等に扱ってきていると思います。  


② 今後、規約の改正を考えていますが、窓枠、窓ガラス、玄関扉は、専 有部分、共用部分のいずれにすべきでしょうか?

→ 国土交通省のマンション標準管理規約では、「共用部分」としていま す。ただし、「専用使用部分」として、日常の管理は専有部分の所有者 が行うこととしています。
  共用部分としている理由は、外観の統一等が主な理由ですが、標準管 理規約にならって、「共用部分」とした上で、「専用使用部分」とすべ きだと思います。


③ 規約で共用部分とした場合の維持管理について教えて下さい。

→ 共用部分のうち「専用使用部分」として扱うことになりますが、標準 管理規約によると、

 1)通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責  任と負担において管理を行う。

 2)計画的に行う修繕工事は、管理組合が管理を行う。

 となります。

  この場合、 

 1)「通常の使用に伴うもの」をどのように解釈するか。

 2)管理組合が、窓のアルミサッシュ等を一斉に全戸更新するような   場合、すでに更新済みの室に対して、公平の観点から、どのように   対応するか。

 等の検討も必要になります。

 



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