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 内容には、執筆時の法令や情報に基づいたものが含まれている可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。 
 掲載されている本文及び資料は各会員団体が作成したものですので、詳細については各会員団体に直接お問合せください。

 

建物の不具合
建物の不具合 : 第11回:共用部分の外壁タイルの劣化について
 投稿日時: 2010-02-18 (1513 ヒット)

私たちのマンションは築12年、単棟型の居住専用で総戸数70戸です。

長期修繕計画に基づき、今秋には大規模修繕工事(屋外、外壁の防水等)を予定しています。事前の調査・診断でタイル張外壁の劣化が顕著で張替が最善との診断所見でした。

竣工(売買契約締結)時から工事上欠陥があったと思われます。このため、売主に補修費(張替工事費)等の請求は可能でしょうか。

 
■ 一般社団法人首都圏マンション管理士会埼玉県の回答
■ NPO匠リニューアル技術支援協会埼玉県支部の回答


【一般社団法人首都圏マンション管理士会埼玉県の回答】

マンションの売買でそのマンションに構造上の欠陥(瑕疵)があった場合の法的取扱いについては、民法570条(売主の瑕疵担保責任)に「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、566条の規定を準用する」とあります。

(参考)瑕疵担保責任とは売買の目的物に「隠れた」瑕疵(欠陥)、キズがあった場合に売主が買主に対し負う責任。


 隠れた瑕疵の「隠れた」とは、取引上要求される一般的な注意では発見できないとの意味です。


 契約の解除又は損害賠償の請求は、隠れた瑕疵を知った時から1年以内にしなければなりません。1年以内にしなければならない行為について最高裁判所は、「裁判上の権利行使をするまでの必要はない。具体的に瑕疵の内容と損害賠償請求する旨を表明し、損害額の算定根拠を示すなどして、売主の瑕疵担保責任を問う意思を明確に告げる必要がある」と判示しています。


 損害賠償請求行使期限(消滅時効=権利行使する期間の消滅)について、最高裁判所(平・13・11・27判決)は消滅時効の適用はないとした原審を破棄して「瑕疵担保による損害賠償請求権は、売買契約に基づき法律上生ずる金銭支払請求権であって、これが民法167条1項にいう「債権」に当たる」として、引渡時から10年の消滅時効に服することを明らかにしました。


一般的にマンション売買契約書には、売主の瑕疵担保責任について「本物件に隠れた瑕疵があったときは、本物件の引渡しの日から2年間に限り担保責任を負う」とかアフターサービス条項で「本物件のアフターサービスについては別に定める「アフターサービス規準」により行うものとするなどの記載がされています。


 アフターサービス規準は、日本不動産協会等業界団体の作成で、瑕疵担保への損害賠償請求や契約解除につながるものでなく、あくまでも自主的に欠陥部分の補修等を無償で行うというものです。

 消費者保護の立場から「住宅の品質確保の促進に関する法律」が平成12年4月より施行され、構造耐力上主要部分、雨水の浸入を防止する部分について、新築住宅の取得契約(請負・売買)において10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務付けられました。


さらに「特定住宅瑕疵担保責任の履行確保に関する法律」が平成20年4月より施行され、平成21年10月1日以降に引き渡された新築住宅について、瑕疵担保責任履行(住宅品質確保法に基づく10年間)のための資力確保を売主等に義務付け(保証金の供託・住宅瑕疵担保責任保険の加入)住宅購入者の利益保護が図られることになりました。

 売主と締結した売買契約書、瑕疵担保責任に関連する諸法令、マンションの履歴、瑕疵の状況、発生要因等を多角的に分析検討され、話し合いによる平和的解決が望まれます。


【NPO匠リニューアル技術支援協会埼玉県支部の回答】

1 一般的にマンションの瑕疵とは通常有すべき品質、性能を備えていないことで給排水管の不良から生ずる漏水、電気・ガス工事の欠陥、雨漏り、壁面の亀裂、騒音等の物理的な欠陥の他に権利の瑕疵があり、今回事例ではタイル劣化が構造上の瑕疵「建物としての基本的な安全性」を損なう様な欠陥(主に構造耐力に関する物)に当たるかどうかが争われると推測されますが、最近の最高裁の判例では「構造上重要でない部分についても、居住者以外にも身体・生命・財産に危害を与える恐れのあるものは瑕疵」とした例があります。

 また、瑕疵による賠償は欠陥を知った時から3年以内または欠陥が存在した時(分譲時)から20年以内に権利を行使できるとされています。

 但し、今回の様な事例が瑕疵に相当するかどうかの判断は、国土交通省及び裁判事例でも無いようであり、タイルの貼り替え費用が請求できるかどうかわかりません。

 この例では築12年で貼り替えが必要かどうかと身体・生命・財産に危害を与えるかどうかの判断が重要となりそうで、調査診断所見を検証してみる必要がありそうです。

 上記の瑕疵に当たらない場合は、売主のアフターサービス範囲内かどうかの問題となります。

 


2 売主の任意的責任として買主(マンションの共用部分では管理組合)に対し、不具合について一定の期間に限り補修するというアフターサービス保証を売買契約書に明記しています。


 ご相談の問題では、アフター保証(保証の対象、保証期間)がどのようになっているか、売主が外壁タイルのどの現象に対してアフターサービスとして補修しなければならないことになっているか、確認しておられるでしょうか。


 また、これまでのアフターサービス補修では外壁タイルに関してはどのような請求をして来られたでしょうか。管理組合が補修依頼をして、売主が補修しても不具合が今日まで解決しないままであれば、売主の責任で補修依頼は継続しておこなうべきでしょう。

 竣工時から工事上欠陥があると思われるとのお話ですが、定期点検と瑕疵補修を行った時の管理組合は売主にどう対応されたのでしょうか。

 まずは、補修の経過と実施経歴を明確にされることが必要と考えます。


 上記事情を検証されず、売主に今の段階(築12年後)で補修費を請求しても、簡単には応じてもらえないと思われます。

 



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