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 内容には、執筆時の法令や情報に基づいたものが含まれている可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。 
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管理会社等
管理会社等 : 第35回:管理会社の適正な業務の履行を促すには
 投稿日時: 2018-12-12 (210 ヒット)
 管理会社の影響力が強く、理事会が何も言わないことをいいことに、管理会社がやりたい放題やっているように感じる。
 フロントは理事会に出席し議事録も作成するが、その内容には疑問がある。決めていないことが決めたことになっているなど、事実と異なっている。大規模修繕を始め、さまざまな提案と見積もりに不安もあるが、「理事会で決まったんだから」理事長として印を押すようフロントに強く求められ、つい押印している。「判子を押したんだから、やらないとダメですよ」とフロントに言われて困っている。管理会社の適正な業務の履行を促すにはどうしたらよいか。

■ NPO日本住宅管理組合協議会埼玉県支部の回答
■ 
一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答
■ 
NPO匠リニューアル技術支援協会埼玉支部の回答




【NPO日本住宅管理組合協議会埼玉県支部の回答】

業務管理委託契約書を読む
 管理組合と管理会社は、委託管理に関して、その業務委託とそれを受託する旨の業務管理委託契約書によって定められるのが普通です。その契約書に基づいて管理会社は業務を行い、管理組合はそれを確認するという、双方に義務があります。適切な業務を遂行してこそ、委託費用が支払われるのです。

財布の中身を知る管理会社
 管理会社は管理組合の管理費・修繕積立金等の収納業務を行っており、管理組合の財布の中身を把握しています。多くの管理会社は、そのお金をできる限り使わせたいと考え、理事会に対し不要かつ意味不明な提案をすることもあります。提案前に、キーパーソンである理事に連絡して、その理事から提案するなどの不適切な行為(工作)をすることもあります。
 管理会社の担当者(管理組合の担当者=フロントマン)がフィクサーとして行動しているわけで、それ自体問題ですが、このようなやり方は多くの管理会社で普通に行われているのが実態です。このような売上至上主義の管理会社は、あらゆる関係企業等と組んで、管理組合の大切なお金を必要以上に搾取し、管理組合に損害を与えている場合もありますから、管理組合はよほど注意が必要なのです。

管理会社の不適切対応に気づいた管理組合!
 ある大手管理会社が理事会をないがしろにするような勝手な業務を実施。それを請求してくるなど、当該マンションが管理会社の持ち物であるかのような不適切な管理を行なっていました。管理組合は何度も注意をしたのですが、改善が認められなかったので、理事会はしびれを切らせると同時に、自分たちのあり方自体が問題なのではないかということに気づきました。
 そして、「自ら考え」「自ら行う」ということが重要であること。それには、それにふさわしい自立した組織が必要であることに思い至りました。その結果、ある常設委員会を設置。マンションのあり方を考え、それを理事会に答申し、具体的な方針や方法などを提案し、理事会からの承認を得て、それぞれを実施するという方法が定着しました。
 「管理会社を代えたところで同じことが繰り返されるだけなので、管理組合が自立すれば良い」と管理会社との契約内容を大幅に変え、それを一年ごとの契約にし、現在もその管理会社との契約を続けています。

 「管理組合に期待をすべきこととそうでないことを明確にし、根本的には管理組合が主体的・自立的に考えて行動することが重要で、管理会社とは、緊張関係がないとダメ」と、管理組合の委員は言います。

管理組合は「自立管理」を追求したい
 別の管理組合では、フロントを代えてもらいましたが、それでも改善が見込めず、管理会社を変更しました。この管理組合の理事長は、初めのうちは管理会社の言うことを、ほとんど全面的に受け入れていたのですが、それが管理会社、フロントの暴走を許してしまったと感じ、ある時点から言うべきことは文書にして伝え、言った言わないを避けるようにしています。

 問題のひとつは、管理組合側にも反省すべきことがあることです。それは、定量的なことと定性的なことをごちゃごちゃにして管理会社に注文していること。「感じ」をいうのではなく、具体的な部分と方法を文書にして伝えることができなければ、管理組合も共有できないし、管理会社にも伝わりません。管理組合のそのような方針が一貫していなければ、管理会社もどうしてよいのか困ります。

 最初に述べた委託費用ですが、ある管理会社は一年分の払戻請求書を新しい理事長の元に持っていき、12枚全てに理事長印を押させます。業務をやらないうちから、いつでも銀行から委託費を引き落とせるなどというのは、どんなビジネスでもあり得ないでしょう。こういったことが慣習化し、理事は輪番制で前年までの方法を踏襲すると言ったことを申し送りされるだけで、あとは管理会社のフロントマンがフィクサーとして自由に振る舞うのです。

自立管理を進めよう
 そもそも管理組合は、区分所有者が自らの考え方と行動によって運営すべき団体です。しかし、実際の業務を担うことは難しいので、その部分をアウトソーシングするわけで、それを受けるのが管理会社なのです。つまり頭脳は管理組合で、手足が管理会社ということです。
 もちろん、経験豊富かつ誠実な管理会社は適切なアドバイスなどをしてくれますから、その場合はそれを受け入れ、管理組合の財産としていくとよいでしょう。

 管理会社に依存をするのではなく、管理組合の運営には主体性と自立性が必須です。一括りにすると「自立管理」ということになりますが、その必要性を管理組合は考える必要があるのではないでしょうか。

以上



【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】

 早急に対応したい場合には、ご質問の点をまとめて理事会決議にて、管理会社の支店又は本社責任者宛に改善要求書を提出することです。なお、理事長個人ではなく、理事会の決議として必ず行わないと管理組合の意向として扱われない場合がありますので、十分ご注意ください。
 ただし、この方法では、根本的な解決にはならないものと思われますので、下記の対応をご検討いただければと思います。

1)対応の基本的考え方
 現状の内容をお伺いした限り、多くの組合員がマンション管理について無関心な状況ではないかと推察いたします。この状況を打開するためには、情報提供が大きな効果を上げるものとお考え下さい。管理組合運営においては、民主主義の基本となる多数決等の原則をもって行われることから、多くの組合員が判断した結果がそのマンションの方針となりますので、その内容を理解し、判断する環境を整えることが重要です。

2)対応の手順
 ①理事会議事録については、管理会社から議事録(案)が提出された場合に、確認担当役員を決めてその内容を確認するか、役員全員で確認できるような体制を作ってください。
 ②議事録の個人情報部分を問題にならないように一部加工して配布するか、広報紙を別途作成して、全組合員に配布して情報を周知するようにしてください。
 ③翌回の理事会において、議事録の写しを各理事に配布するとともに、決済書面を回覧し確認するようにしてください。(この時に議事録についても押印することにより、理事会の確認がされた議事録となります。)

3)期待効果
 ①各役員がそれぞれの視点で内容を確認することで、管理会社の主張のみがとおる環境は改善されます。
 ②組合員全体が情報を得ることにより役員交代後も改善された環境を維持できます。

4)繰り返しとなりますが、適切な管理組合運営については、民主主義に基づく集団による判断活動となりますので、役員の皆さんを手始めとして、全ての組合員に情報提供を行い、理事長がその代表者として対応を管理会社に求める体制づくりが、今回のご相談の回答になるものとお考え下さい。

5)なお、管理組合側(理事長)の要求が適正かどうかの判断に向けて、他の管理会社から見積書及び業務仕様書を取り寄せて、今回の問題点などにつき各社の話を聞くことをお勧めいたします。

以上



【NPO匠リニューアル技術支援協会埼玉支部の回答】

 『管理会社の影響力が強く、理事会が何も言わないことをいいことに、管理会社がやりたい放題やっているように感じる。管理会社の適正な業務の履行を促すにはどうしたらよいか。』とありますが、基本的には貴管理組合(理事会)自体の活動にも問題があります。
 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年12月8日法律第149号)」第3条に基づき国土交通大臣の告示として公表された「マンションの管理の適正化に関する指針」の「マンションの管理の適正化の基本的方向」では5項目を基本とすべきとされています。その5項目の中で管理組合及び区分所有者等に関する項目として下記の2項目が提示されています。

                 記               

1.マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。
 特に、その経理は、健全な会計を確保するよう、十分な配慮がなされる必要がある。また、第三者に管理事務を委託する場合は、その内容を十分に検討して契約を締結する必要がある。

2.管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分認識して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある。

 また、同指針の中の「マンションの管理の適正化の推進のための管理委託に関する基本的事項」として次の事項が提示されています。
 『管理組合は、マンションの管理の主体は管理組合自身であることを認識したうえで、管理事務の全部又は一部を第三者に委託しようとする場合は、その委託内容を十分に検討し、書面をもって管理委託契約を締結することが重要である。
 なお、管理委託契約先を選定する場合には、管理組合の管理者等は、事前に必要な資料を収集し、マンションの区分所有者等にその情報を公開するとともに、マンション管理業者の行う説明会を活用し、適正な選定がなされるように努める必要がある。
 また、管理委託契約先が選定されたときは、管理組合の管理者等は、当該契約内容を周知するとともに、マンション管理業者の行う管理事務の報告等を活用し、管理事務の適正化が図られるよう努める必要がある。
 万一、マンション管理業者の業務に関して問題が生じた場合には、管理組合は、当該マンション管理業者にその解決を求めるとともに、必要に応じ、 マンション管理業者の所属する団体にその解決を求める等の措置を講じることが必要である。』
 上記をよく理解いただき、管理会社にすべて任せる状態(言いなり状態)から脱却し、自立した管理組合運営にするために、管理委託契約における管理会社の業務実施内容及び実施状況を、理事会でよくチェックするようにしてください。当然ですが理事会としての共通認識の形成にも注力ください。
 又、必要に応じマンション管理士に相談されることをお勧めします。埼玉県の制度「マンションアドバイザー派遣制度」など上手に利用されることも重要と考えます。
 付け加えになりますが、マンション標準管理規約では、理事会議事録は、理事長が作成するものであり理事会議長(理事長)と理事会に出席した2名の理事が署名押印することになっています。
 管理会社フロントは、管理委託契約により議事録案を作成するだけであり、フロント作成の議事録案の内容等に誤りがあれば、理事長(理事会)として修正を指摘し、正しい議事録を作成するようにしてください。あくまでも議事録の作成責任は理事長にあります。



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