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 内容には、執筆時の法令や情報に基づいたものが含まれている可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。 
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管理規約
管理規約 : 第22回:監事を理事会で選任できるか
 投稿日時: 2014-02-10 (4227 ヒット)

  通常総会の2ヶ月前に監事が自分の専有部分を売却して転出してしまいました。

私達の管理規約の役員に関する規定では、「理事及び監事は、マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。」、「役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う。」となっています。 

 監事が組合員でなくなったため、このままでは監事が欠けることになり監査報告ができません。
 そこで、臨時総会を招集して監事を選任することにしました。
 今後、組合員も高齢化して、病気で入院したり、死亡することもあるため、役員が任期途中で欠けた場合に、いちいち臨時総会を招集して選任することは大変なので、管理規約を改正して補充の役員を理事会で選任することができるようにしたいと考えています。
 ところが、理事のなかに、監事は理事会をチェックする機関であり、理事会とは独立した立場でなければならないため、監事を理事会で選任することができるという規定は、監事の独立性を犯し、無効だという意見を言う者がいます。
 補欠の監事を理事会で選任できるという規定は、無効でしょうか。
 なお、私達の管理組合の役員は、輪番制を採用しています。
 
 
 
 

 
 【NPO法人埼玉マンション管理支援センターの回答】

1:監事は民法上の法人の必要機関ではありません。しかし多くの法人では設置していますし、標準管 理規約にも「設置するように」と書かれています。
 
2:監事の職務は、管理組合における理事会などの業務執行と財産状況の監督をするために、管理組合の執行機関である理事の互選ではなく、総会で直接選任されることになっています。 
 
3:今回は、「臨時総会を招集して監事を選任した」ので、規約の通り処理しており問題はありません。 
 
4:さて、補欠監事の選任方法についての規定ですが、今回、臨時総会で選出をおこなったように、何らかの形で総会で選出され、承認されるのが原則です。  
 早期に監事を補充する方法として理事会で選任出来るようにすることは、監事の責任と義務を考えると、好ましいことではありませんが、監事が不在となると、監査業務が滞るので、「理事会での選任」を認めるためには、規約化をすることが必要です。
 なお、理事会で、理事の中から補充することは、監事設置の趣旨にそぐわないので不適正で、好ましくありません。 
 
5:設問にある条件、「この管理組合は、輪番制の理事・監事選出制」で、期中に監事の欠員が生じてた場合に、補充の監事を選出する方法として規約に規定することを検討してみました。
 
(1):まず、総会で、補充の監事を選任しておくこと(この事例の場合は、来年度の輪番の組合員から、補充の監事を選任しておくこと)を規約で定めておくことが考えられます。
 
(2):また、理事会で決める場合は次のようなことが考えられます。
 ①:理事会が、翌年度の輪番役員候補の中から補充の互選してもらい、本人の承諾を得て、残任期間を就任してもらうような規定を  作成する。
 ②:理事会が、翌年度の輪番の役員候補者から理事会が推薦して、本人の承諾を得て、就任してもらうような規定を作成する。
 注:①1または②で補充のために選出された監事は、次期の理事・監事候補なので、次期の総会の冒頭に、補欠の監事就任の承認を  得ることが必要でしょう。
 ③:監事の補充についてマンション内に、「監事の欠員募集の掲示」をして公募する規定を作る。応募者が多い場合の選出方法も規  定を作成して決めておくようにする。この方法で選任された場合は、次年度役員になることが予定されていない(輪番制の役員ではない)ので、次期総会の冒頭で、補欠の監事の承認を得るこ  とが必要でしよう。
 注:また、①、②及び③のいずれの場合でも、補充で選任された監  事の総会での承認の代わりに、「回覧などで全員の合意の署名を  取り、総会承認の代わりとする」ことも考えられますが、大きなマンションでは、現実として難しい面もあります。
 
6:なお、前任の監事からは、在任中の監査業務について引き継ぎの際に、そこまでの業務・事務について事前に承認を得ておき、後任の補充の監事への負担を軽くすることをルール化することも検討に値します。
 
7:理事・監事の補充要件などは規約か細則で定めます。規約の制定・変更・廃止をするときには、区分所有者及び議決権の各3/4の賛成が必要になりますので、「理事会運営細則」等にして、過半数決議で、変更できるようにすることも検討しておくと良いでしょう。
 
8:役員(理事、監事)の欠員が生じて、すぐに規約に違反にならないようにするためには、役員の定数に「○名から○名」と幅を持たせたり、「○名以内」と規約に規定することもできます。  
     
                                NPO埼管センター 事務局
 
 
 


【NPO法人日本住宅管理組合協議会埼玉県支部の回答】


監事の補欠を理事会で選出する規約の可否
 
 まず、あらためて監事の任務とはなにかを確認しておきたいと思います。監事は全区分所有者に代わって、理事会の業務や会計処理をチェックし、問題があればそれを指摘し、とくに不正など重大な問題があるときには、自ら総会を招集して区分所有者全員に報告をすることができる役割をもっています。そういう任務の担当者ですから、総会で理事とは別に選出するのが当然です。ですから、理事会で選出することができると規約を改めるのは「監事の独立性を侵す」(設問の「犯す」は誤植だと思われます)という理事の意見はもっともだと思われます。
 しかし、区分所有法は管理組合法人にかんする第52条第1項ただし書きで、「ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び第57条第2項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる」と規定しています。つまり規約で、評議員会、代議員会あるいは理事会などの機関で、「補充役員の選出をする」などと決めておけばよろしい、というわけです。これは管理組合法人についての規定ですが、ことの性質からいって、法人でない管理組合でも同じようにできると解釈されています。
 また、法的拘束力はありませんが、管理組合が規約を作ったり、改正したりするさいの参考として国土交通省が発表しているマンション標準管理規約でも、その第36条(役員の任期)のコメントで、「役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできる」としています。したがって、この選任方法を規約で規定したら「無効」というわけにはいきません。ただ、最初に述べたように、チェックされる対象である理事がチェック役の監事を選任することは望ましいことではありませんから、できるだけ避けた方がよいでしょう。
 
 それではどうするかという点ですが、臨時総会を開くのが通常の方法で、この管理組合でもそうすることにしています。しかし、つぎからは臨時総会をしないで済ますためには、規約を改正して次の二つの方法のどちらかをとっておくことが考えられます。ひとつは、定数を監事は1~2名、理事は12~15名というように幅を持たせておいて、定数いっぱいの役員を選出しておけば、定数の最小限までは欠員が出ても補充をしないで済むという方法です。もうひとつは、総会のさいに「監事の補欠1名、理事の補欠2名」というふうに「補欠」になる人をあらかじめ選出しておくことです。欠員が出たら補欠を繰り上げるという規定です。この管理組合では役員は輪番制ということですから、選ばれたが「補欠」の必要がなかった場合には、その次の年度の役員になってもらえばいいわけです。
 
NPO日本住宅管理組合協議会 埼玉県支部
柳沢 明夫
 
 

 
 【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】
 
 管理規約に「役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う」と規定されているため、監事が自分の住戸を売却すると組合員でなくなり、監事の地位を失うことになります。
監事に欠員が生じた場合には、管理規約に監事を置くことになっており、監事の業務監査及び会計監査を経て監査報告をしなければならない以上、たとえ通常総会の2ヶ月前であっても臨時総会を招集して監事を選任しなければなりません。
 そこで、監事の選任だけのために臨時総会を招集することは手間がかかり大変なので、欠員の役員を理事会で選任できないかという問題が生じます。役員に欠員が生じた場合に理事会で選任できれば、迅速かつ容易に選任できることになります。問題は、役員の選任という重要な問題を総会の選任でなく、理事会で選任できるかということです。特に、監事は理事会を監査する機関であるため、監事を理事会で選任することには反対の意見や無効の主張も考えられます。
 役員の選任についての区分所有法の規定は、管理組合法人では第25条の規定を準用(第49条第7項、第50条第3項)しており、「規約に別段の定めがない限り」総会の決議により選任しなければならないとしています。従って、規約で「役員が欠けた場合に補充の役員を理事会で選任することができる」と規定すれば、補充の役員を理事会で選任できることになります。又、管理組合法人でない場合には、もともと区分所有法に理事会や監事の規定がないため、規約で補欠の役員の選任について総会の選任でなく、理事会の選任と定めても無効ということはありません。
 標準管理規約第36条コメントでも「役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補充の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することができる。」としています。
又、「理事会運営細則モデル」(マンション管理センター)では「規約第35条(役員)第1項に定める役員の定数が欠けた時は、補充の役員を組合員のうちから理事会で選任する。」としています。
理事会の現場では、役員の転出や入院、死亡等の事情のため任期途中で役員が欠けることはめずらしいことではなく、それに備えて「役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補充の役員を理事会の決議で選任することができる」と規定しても問題ありません。
 但し、監事については、設問の様に、監事の職務権限(①財産の状況を監査、②理事の業務執行の状況を監査、③財産の状況又は業務の執行について、法令もしくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、これを総会に報告すること、④必要があるときは総会を招集すること)に鑑みて、監事からチェックされる側の理事会が監事を選任することは、監事の独立性を害して無効だと主張する者が出るかもしれません。補充の監事を理事会で選任することについてどうしても抵抗を感じるのであれば、監事は除いて、補欠の理事だけを理事会で選任することにしてもいいでしょう。但し、その場合には、設問の様に、監事が通常総会の2ヶ月前に欠けた場合には臨時総会を招集して監事を選任する必要があります。
問題は、補充の役員の選任を、総会で選任するか、理事会で選任するかということです。役員選任の重要性を重視すれば総会で選任しなければならないということになり、迅速性と容易さを求めるのであれば理事会で選任するということになります。
仮に総会で選任するとしても、組合員等の限定された者のなかから役員を選任すること、その期間も残任期間であること、役員候補者は理事会で決め、理事長への委任状が多いこと等を考慮すれば、総会でなく、理事会で選任しても特に問題を生じることはないと考えます。特に輪番制をとっている場合には輪番制に従って補充の役員が選任されますので、理事会で補充の監事を選任しても、理事会の恣意が入る余地がないため全く問題はないと考えます。

 



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