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居住者間のマナー
居住者間のマナー : 第23回:専有部分の修繕について
 投稿日時: 2014-02-20 (5754 ヒット)
築30年のマンションで、最近、専有部分のリフォーム工事が増えてきました。
ところが、管理規約が古く、標準管理規約第17条「専有部分の修繕等」の規定がないため、リフォーム工事をめぐるトラブルが増えています。

 そこで、管理規約を改正して「専有部分の修繕等」の規定を設けることにしましたが、いくつか疑問がありますので教えてください。
1)専有部分は区分所有者の所有物であるのに、何故、専有部分の修繕等の規定が必要なのでしょうか。
2)専有部分は区分所有者の所有物であるため、専有部分の修繕等はすべて理事会の決議を必要とするので
しょうか。
3)水道、ガス、エアコン、給湯器等が故障し、緊急に工事を実施しないと生活に支障をきたす場合でも理
事会の決議が必要なのでしょうか。理事会がなかなか決議しない場合はどうすればいいのでしょうか。
4)専有部分の修繕等については、管理規約に規定を設けるだけでなく、専有部分修繕等の細則を作成する
必要があるということですが、何故、細則を作成する必要があるのでしょうか。
5)細則を作成する際の注意点を教えてください。
 
 
 

 


 

【NPO法人埼玉マンション管理支援センターの回答】

1 区分所有法第6条に「区分所有者は建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」と定められております。専有部分を修繕する場合、材料等の撤去、搬入や工事業者の出入りで共用部分を使用しますし、工事中の騒音等で他の居住者に迷惑を掛けることとなります。また、床をフローリングに変える工事を行うと、騒音で階下の方に迷惑をかけることもあります。情況を理解してある程度の我慢をする場合と突然迷惑を掛けられた場合では居住者の感じ方に大きな違いがあります。そのため、標準管理規約第17条で(専有部分の修繕等)を規定して理事会への届出を義務付けております。

2 一定期間廊下等共用部分を使用する工事、躯体等建物の主要部分に影響を与える工事、階下等に騒音等で迷惑をかける恐れのある工事は当然、建物の管理の責任を有している理事会に届け出て承認を得るべきものです。それ以外の軽微な工事は各自の判断で実施できると考えます。

3 緊急で行わなければならないものは、すぐに応急処置をしなければなりません。ご自分で手配をした場合は、速やかに管理会社及び理事長に連絡して、今後の本格的修繕等についてアドバイスを受け、所定の手続きを取る必要があります。

理事会は1~2ヶ月に一度等定期的に開催されます。また、臨時に理事会を開催しようとしても理事の都合がつかず会議が開かれない可能性があります。数ヶ月にわたって工事が実施できないとしたら、区分所有者は多大の迷惑をこうむります。理事長は工事承認願いを受け取ったら、管理会社や専門的知識を有する人の協力を得て届出書類を審査し、意見を付して各理事に意見や賛否を問い、理事会を開催したと同様の効果がある方法をとって速やかに判断を下して区分所有者に通知するよう心がけていただきたいものです。

4 管理規約の変更は3/4以上の同意が必要です。規約には区分所有者に遵守してもらう重要な事項を規定し、注意事項等を含めた具体的事項は、標準管理規約第18条(使用細則)に従って専有部分の修繕に関する細則を作成した方が良いと考えます。細則は規約で別段の定めが無い限り、新しい材質や工法、生活環境の変化等があった場合、過半数の同意で変更することが出来ます。

5 財)マンション管理センターにより標準となる[専有部分の修繕等に関する細則]および[専有部分の修繕等に関する細則コメント]が発表されています。これを参考にご自分のマンションにあった具体的事項を定めてください。

 

 

【一般社団法人埼玉県マンション管理士会の回答】

 1)専有部分は区分所有者の所有物であるのに、何故、専有部分の修繕等の規定が必要なのでしょうか。

 マンションの専有部分の維持管理は、各区分所有者の責任と負担で行うものですが、専有部分の修繕等が行われると、工事により共用部分に大きな影響を与えるような場合もあり、また、騒音問題等で近隣住戸とのトラブルが発生することもありうることから専有部分の修繕工事の建物全体へ与える影響を考慮し、また、エ事をめぐるトラブルを未然に防止する観点から、規定が必要と考えられます。区分所有法は「建物の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項」については、共用部分だけでなく専有部分に関しても、規約で定めることができるとしています(区分所有法第30条1項)。

2)専有部分は区分所有者の所有物であるため、専有部分の修繕等はすべて理事会の決議を必要とするのでしょうか。
3)水道、ガス、エアコン、給湯器等が故障し、緊急に工事を実施しないと生活に支障をきたす場合でも理事会の決議が必要なのでしょうか。理事会がなかなか決議しない場合はどうすればいいのでしょうか。

 上記の質問のような事態が、専有部分の修繕をめぐって生じていることを背景に、マンション標準管理規約、専有部分の修繕等の17条の改正が平成28年にはかられました。
 改正規約では、専有部分の修繕等を行おうとする区分所有者が、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出し、理事会の決議を経なければならないとした修繕等は「共用部分又は他の専有部分に影響をあたえるおそれのある場合」と限定しました。
 また、理事会の事前承認を要しない修繕等であっても、工事業者の立入り、工事の資機材搬入、工事車両の駐車、工事の騒音、振動、臭気等の工事の実施中における他の専有部分への影響等を管理組合が事前に把握する必要がある工事を行おうとするときには、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならないと手続きを定めました。
 そして、コメント別添2を新たに定め、理事会承認の対象となる修繕等の範囲、承認を必要とする理由及び承認のための審査する事項等を具体的に例示し、承認を要するか、届出なのか又は届出を要しない修繕なのかを判断ができるように示しました。
 コメントの別添2を参考として、使用細則を定め、速やかに理事長が修繕の可否について判断できるようにすべきでしょう。コメント別添2で部位ごとの修繕の判断する基準を参考として示されたことで、この基準と違う決定をした場合、理事長には説明責任を果たすことが求められることになるでしょう。

4)専有部分の修繕等については、管理規約に規定を設けるだけでなく、専有部分修繕等の細則を作成する必要があるということですが、何故、細則を作成する必要があるのでしょうか。

 専有部分の修繕等は区分所有者の責任と負担で行うために区分所有者の意思に左右されます。 そのために専有部分の修繕に関する基本的な事項を規約で定め、具体的にかつ詳細に理事会の承認を要する工事か否か等の判断の基準と手続きを使用細則で示すことで修繕工事の発注者である区分所有者にも速やかな判断ができるように詳細に定めることの必要です。建物の高経年化とともに、専有部分のリフォーム工事の必要性が増加するとともにトラブルを防止するうえにも細則の制定は必要なこととなります。
 また、修繕等の制約事項を特別決議が必要な規約で定めると技術的進歩に柔軟に対応することが難しいので、普通決議で変更対応できる細則で定めることが一般的です。

5)細則を作成する際の注意点を教えてください

 細則を作成するうえでの注意点は、理事会の承認申請が必要な修繕等を明記し、使い勝手のよい手続きを工夫することが必要です。その一つの方法としては、改正標準管理規約コメント別添2を参考にして「理事会の承認が必要な修繕等」、「理事長への届出が必要な修繕等」、「届出が不要な修繕等」に分類して、各分類の修繕等を別表で細かく記載し、分かり易く工夫することです。又、フローリング工事による騒音トラブルが多いことに鑑み、L45以上の遮音等級の高いものを基準とすることや、違法なシェアハウスが問題になっているため、禁止事項として建築基準法、消防法その他関係法令に適合したものでなければならないと定める必要もあります。またその他、理事長、理事会への申請手続き、その審査手続き、審査基準の他、区分所有者及び工事業者の遵守すべき事項や禁止事項、工事中の立入り調査の件、電気容量の制限等を具体的な工事事項は分かやすく細則に定める必要があります。

 

 

 


 

【一般社団法人首都圏マンション管理士会埼玉県支部の回答】

 1)専有部分は区分所有者の所有物であるのに、なぜ専有部分の修繕等の規定が必要なのでしょうか。

 専有部分の修繕等が行われると、場合によつては共用部分に大きな影響を与えるようなこともあり、また、騒音の問題等で周辺住民とのトラブルが発生することもあることから工事の建物全体へ与える影響を考慮し、また、リフォームエ事等をめぐるトラブルを未然に防止する観点から、規定が必要と考えられています。「区分所有法30条第1項」は、こうしたことを考慮して、規約で定めることができる範囲を共用部分に限定せず「建物」とし、専有部分についても規約で定めることを認めています。

 なお、マンションは、区分所有者が住居とする「専有部分」と、敷地や建物の構造体、共同で使用利用する廊下や階段、エレベータ等の「共用部分」に区分されており、その区分内容は標準管理規約に準拠した規約であれば規約別表に詳細に表記してあります。

これにより実際の建物や施設に即して共用と専用を区分し、共用部分は管理組合が組合員から徴収する管理費や修繕積立金によって維持管理しています。専有部分の修繕工事は、その区分所有者が自ら費用を負担して行うことになります。また、リフォーム関連の新手の問題として、国土交通省が規制に乗り出した違法貸しルーム対策も、考慮に入れる必要があります。

 

2)専有部分は区分所有者の所有物であるのに、専有部分の修繕等はすべて理事会の決議を必要とするのでしょうか。

 理事会の決議を必要とするのは、1)で述べたような問題の防止をするために、管理組合の執行機関である理事会の事前審査を受けることが妥当との考えに基きます。その為に標準管理規約第17条で区分所有者は、その専用部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え「修繕等」を行うとするときは、あらかじめ理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならないと明記され、理事長は書面の申請について、承認するとき又は不承認とするときは、理事会の決議を経なければならないと明記されています。

修繕等の申請範囲は「専用部分の修繕等に関する細則」を作成しその中で明記します。

「中高層共同住宅使用細則モデル」「専有部分の修繕等に関する細則」(財団法人マンション管理センター発行)を参考にしてもよろしいかと思います。

 

3)水道、ガス、エアコン、給湯器等が故障し、緊急に工事を実施しないと生活に支障をきたす場合でも理事会の決議が必要なのでしょうか。

 理事会がなかなか決議しない場合はどうすれば良いのでしょうか。

修繕等の規定の中で、緊急の場合や定められた期間内に理事会が決議をしない場合の規定を定めることも可能です。規定がないにもかかわらず、各区分所有者の判断で実施することを認めると思わぬトラブルにつながるおそれがあるため、注意が必要です。例えば、マンション管理センターが発行している「専有部分の修繕等に関する細則」の中では、申請書をエ事○日前に提出し、理事長は申請書を受け取つたときは、遅滞なく、承認申請に係る書類を調査するものとする。

 また、その中で「承認又は不承認の決定」は調査期間の経過後に理事会の決議に従つて専有部分の承認または不承認の決定をしなければならないという規定の例が示されています。また、水漏れ、火災等により専有部分に損害が発生した場合において、原状回復のために行う専有部分の修繕等には適用しないとする規定の例も示されており、具体的には、水道、ガス、エアコン、給湯器等が故障し、緊急に工事を実施しなくてはならない場合がこれに該当すると考えられます。

 

4)専有部分の修繕等については、管理規約に規定を設けるだけでなく、専有部分修繕等の細則を作成する必要があるということですが、何故細則を作成する必要があるのでしょうか。

 専有部分の修繕等は区分所有者の重大な利益に関わるため、 トラブル予防の見地から基準と手続きを詳細に定める必要があります。また、こうした規定を特別決議が必要な規約で定めると柔軟な変更ができないため、普通決議で変更できる細則で定めることが一般的です。

マンション標準管理規約(単棟型)第17条関係コメントでも基本的な事項は、規約で定め具体的な手続き、区分所有者の遵守すべき事項等詳細については、使用細則で別途定めるという規定の仕方の例が示されています。

 

5)細則を作成する際の注意点を教えてください。

 リフォームに関する規約の設定・変更は総会の特別決議、リフォーム(細則)の設定・変更は総会の普通決議が必要です。専有部分の修繕等承認申請書を作成して、申請者、修繕の名称、工事場所、工事予定期間施工業者、誓約書などを作成します。管理規約と連係が必要ですが、大まかな項目として禁止事項、承認事項、遵守事項、違反に対する措置、調査等を組み入れています。工事に関して修繕工事注意事項なども組み入れ、近隣対応の注意、設計上の注意としては床の騒音防止でフローリングの材質を明記している細則等も見受けられます。また施工上の注意点も明記します。

 



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