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第38回:分譲マンションにおける民泊について~民泊新法と管理組合の対応策~

第38回:分譲マンションにおける民泊について~民泊新法と管理組合の対応策~

近年、政府は、外国人の観光客の増加及び2020年のオリンピックの東京大会の開催などにより、「新たな観光ビジョン」を策定致しました。『世界が訪れたくなる日本』を目指し、ビジョンでは、観光を「地方創生」の切り札、GDP600兆円達成への成長戦略の柱と位置づけ、国を挙げて観光を日本の基幹産業へと成長させ「観光先進国」に挑戦していく覚悟が示されました。
その施策として民泊サービスの法整備、宿泊施設不足の解消及び多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供を推進していくことが盛り込まれています。
民泊サービスの法整備として、平成30年6月15日に、居住用マンションなどでの民泊サービスを提供する「住宅宿泊事業法」が施行されました。

1:民泊の概要と法的な対応について

そもそも「民泊サービス」と呼ばれる事業を制度的に分類すると、下記の様に分類されます。

(1):旅館業法による民泊(いわゆる「旅館民泊」)
旅館業法の基準に適合した営業の許可を取得する必要が有りますが、「簡易宿所」としての許可を得るケースが多いと思われます。

(2):国家戦略特別区域法による旅館業法の特例(いわゆる「民泊特区」)
「民泊特区」とは特定の区域に限り旅館業法の規制を緩和し宿泊業を可能とすることです。
H29.6.16現在では、東京都、神奈川県、千葉県成田市、大阪府、兵庫県、京都府、新潟市、福岡市、北九州市、沖縄県、愛知県、仙台市、広島県、今治市などが対象区域に指定されております。

(3):住宅事業法による民泊(いわゆる「民泊新法」)
新たに制定された法律(「住宅宿泊事業法」)に基づく、民泊サービスで、平成28年6月2日に閣議決定され「規制改革実施計画」において、平成29年3月に「住宅宿泊事業法案」が提案され、平成29年6月16日に公布されました。
(4):その他の民泊(農林漁業体験民泊行(「農家民泊」、イベント民泊等)
分譲マンションで活用される可能性が有る「民泊」とは、上記(1)から(3)で、それぞれの制度についていろいろな法律的規制が有ります。

2:住宅新法及び民泊特区における民泊について

一般に、分譲マンションは、単棟型、団地型及び複合型のいずれにおいても居住部分の住戸については、管理規約に「専有部分用途」として「区分所有者は、その専有部分は専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定しています。
しかし、国土交通省の平成29年8月29日の通達で、民泊新法の成立により「分譲マンションにおいても民泊が可能となったので、管理規約の規定には民泊の可否を規定すること」を要望しております。

「国土交通省のホームページ報道広報、平成29年8月29日報道発表の抜粋」
1.背景・経緯
住宅宿泊事業法が成立し、今後、分譲マンションにおいても住宅宿泊事業(いわゆる民泊)が実施され得ることとなります。分譲マンションにおける住宅宿泊事業をめぐるトラブルの防止のためには、住宅宿泊事業を許容するか否かについて、あらかじめマンション管理組合において、区分所有者間でよく御議論いただき、その結果を踏まえて、住宅宿泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化しておくことが望ましいものと考えられます。
このため、国土交通省では、マンション管理規約のひな型である「マンション標準管理規約」を改正し、住宅宿泊事業を可能とする場合と禁止する場合の双方の規定例を示すこととするものです。
(以下については、国土交通省ホームページをご参照ください)

更に、国土交通省の平成29年11月11日の住宅局長の通達で「「民泊特区」におけるおいても分譲マンションについても「特区民泊」が可能なので、その可否を管理規約に規定することを薦めております。
(添付通達をご参照ください)

このように、分譲マンションでは、「民泊新法」及び「特区民泊」について、それらの民泊の可否について、管理規約に規定する必要が有ります。もし、これらが規定されていない場合(暫定的には総会の決議でも代用できる)は、民泊新法などによる民泊が可能となって居ります。

分譲マンションにおける「民泊」の概要及びその対応方法については、添付のセミナー資料「民泊新法と管理組合の対応策」を参照にしてください。
なお、このセミナー講演の後で、「民泊特区」における民泊の通達が出されておりますので、それらについては添付の国土交通省の通達をご参照ください。

セミナー資料「民泊新法と管理組合の対応策」の最後部20ページで、『管理規約の変更(改正)手続きの注意点』として
宿泊事業者届出に管理規約を変更(改正)する場合と
宿泊事業者届出に管理規約を変更(改正)する場合について解説してあります。

宿泊事業者届出以後に規約変更をする場合は、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすと判断されますので、特別決議とともに当該者(住宅宿泊事業者)の承諾が必要になります。
当該者(住宅宿泊事業者)の承諾がない場合は、規約改正決議が無効となる可能性が高くなります。充分ご注意下さい。
埼管センター

【添付】

◆資料1「民泊新法と管理組合の対応策」セミナーレジュメ

◆資料2 平成29年8月29日付 国土交通省住宅局長通達「マンション標準管理規約の改正について」

◆資料3 平成28年11月11日付 国土交通省住宅局長通達「特区民泊の円滑な普及に向けたマンション管理組合等への情報提供について」

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