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第31回:平成25年度マンション総合調査から

第31回:平成25年度マンション総合調査から

=進む「二つの老い」とマンション管理の新たな課題=

この総合調査は国土交通省が、マンション管理適正化への今までの施策の検証と今後への対応のための基礎的資料収集を目的に約5年毎に実施するもので、今回で7回目となる。

調査方法は、全国アンケートを実施し、その配布先は一社)マンション管理業協会各社を通じたもの及び、(公益)マンション管理センター登録管理組合名簿より無作為に抽出されたもので、管理組合向けに3,643と、区分所有者向けに7,884である。回収率は全体で約65%(63.8%、65.4%)。

今回調査での特徴的に注目されるべきものは、①「世帯主の年齢」が60歳以上で50.1%と過半を超えたことと、②「永住意識」が52.4%と急激に強まっていることである。いわゆる居住者の高齢化が進んでいることが示されています。
この居住者の高齢化と、当然のこととしての建物の高経年化の「二つの老い」からくるさまざまな諸課題への対応が求められていることをこの調査がクローズアップしています。

またこの調査からは、マンション管理は、一定の管理技術の進歩があって、一般的には過去にあったトラブルが減ってきていたりしているが、マンション建物の将来を見据えた建て替えか長寿命化を図るかの選択を迫られたり、高齢化からくる諸問題の克服のための管理形態の選択などの「二つの老い」などからくる新たな課題が現実のものとして各マンションで顕在化し、その対応が求められて来ていることをも示しています。これからのマンション管理に求められるものとして次の4点を挙げます。

1、建物の老朽化対応
(計画的建物再生のマネジメント体制構築と支援体制の強化が必要=合意形成のため)2、居住者の高齢化対応
(永住意識が強まり、高齢化が促進されるが、=「2つの老い」を当然としない取組必要)

3、行詰まる管理への対応
(役員のなり手不足等での管理行詰りを適正管理への総合的マネジメントの担い手によって)

4、初期マンション管理への対応
(初期の管理方法の適正化が求められている、低額な初期修繕積立金是正や適正管理規約への誘導が必要=地域行政の積極的な制度構築も)

さらに、いわゆる放置できない管理状態にあるとされる機能不全小規模マンションは管理業協会各社に管理を委託していないで、マンション管理センターに登録もしていないことが十分に考えられ、今回調査から外れていると推察されます。こうしたマンションの管理実態の把握は求められ、その抱える課題への対応も求められていることを今回報告に付け加えます。

一社)埼玉県マンション管理士会 杉本哲也

 

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