マンション管理コラムColumn
居住者間のマナー
第64回多様化する居住者への対応について
【設問】
多様化する居住者への対応について
【回答団体】
・NPO埼玉県マンション管理組合ネットワーク
・(一社)埼玉県マンション管理士会
【NPO埼玉県マンション管理組合ネットワーク】
マンションの居住者はそれぞれ異なる価値観を持ち、10人10色の生活スタイルがあります。このような多様性の中で、快適で安全、安心、さらには安らぎのある生活を実現するためには、ルールを守る義務があります。分譲区分建物マンションには、「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)が適用され、この法律は区分建物マンションに共住する権利と義務を定めています。法律に定められていない事項については、マンションの「規約」や細則に基づいてルールが設けられます。
○ゴミ問題
筆者が関与した管理組合において、残念な事件がありました。管理人がゴミの整理をしている際、可燃ごみに混ざっていた布を見つけ、整理をしようとしたところ、それが女性の下着でした。管理人はそれを一般可燃ごみと分別し、回収日に出すためにポケットに入れましたが、その光景を後ろで見ていた住民が管理会社に通報しました。その通報内容には、「管理人がゴミの中を漁り、女性の下着を物色していた」という誤解を含む情報がありました。
管理会社は直ちに管理人に事実確認を行い、下着を取り出したことは事実であったため、管理人は解雇されることとなりました。筆者は、「燃えるゴミの指定日に下着を出したのはその住民の責任であり、管理人の行為は正当なものであった」として管理人を擁護しましたが、管理会社の方針には逆らえませんでした。この出来事を受けて、筆者は「ゴミ置き場使用細則」の作成を提案しました。この細則には、ゴミ出しの分別ルールを厳守し、指定日以外にゴミを出した場合、その居住者に「違反金」を徴収する旨を記載しました。また、カメラ監視の導入も検討し、その結果、同様の問題は起こらなくなりました。
このように、細則をルールとして制定し、それを守らなければ「何らかのペナルティを科す」ことが重要であり、そのことによって秩序を維持することが可能になると考えられます。
○組合活動への参加
区分建物マンションでは、消防法に基づき年1回の消防訓練の実施が義務付けられています。この訓練を実施し、多くの組合員に参加してもらうことで、消防訓練後には防災訓練も兼ねて「炊き出し」を行う提案をしました。費用は管理組合の運営費で賄い、飲み物は各自が持参する形式をとることで、参加者同士のコミュニケーションを図りながら活発な組合活動を促進していくことができるでしょう。
○民泊問題
「住宅宿泊事業法」により、規約で民泊が禁止されているマンションでは、住宅宿泊事業を行うことは、同法に違反します。同法第72条には罰則規定があり、「一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金に処される」と明記されています。しかし、いきなり警察に通報するのではなく、まずは、所管行政庁の保健所設置市町や、県知事への連絡(参考:民泊制度コールセンター・ポータルサイト – 埼玉県))をして下さい。それでも止めない場合は、地元の所轄警察署へ相談してみては如何でしょうか、
このように、住民としてのルールを守ること、そして組合活動への積極的な参加が、快適で安全なマンションライフの実現に繋がるのです。各自がルールを遵守し、積極的に活動することによって、居住環境は大きく改善されるでしょう。
【(一社)埼玉県マンション管理士会】
不適切管理と言われているマンションは、最初からでしょうか?違います。マンション生活はメリットとデメリットが表裏一体です。ゴミ問題、民泊利用、組合活動の不参加、滞納金問題、迷惑行為(音、声、洗濯、ペット、)等々様々な不適合な形態が叫ばれています。マンションは専有部分の集合体です。共用部も専有部分の構成体の一つなのです。その点を蔑ろにしている結果が、不適切管理のマンションと言われるのです。そしてそれに気付かないのも問題です。マンションの規模の大きさは関係ないのです。
3年前の事です。築43年RC造3階18戸の自主管理マンション、築17年RC造8階85戸の管理委託マンションで、多くの不適切な課題・問題・管理運営を抱えているマンションは何方でしょう?実は両方のマンションとも同じでした。3年たった今、多くの不適切な課題・問題を克服したのは小規模な自主管理マンションなのです。全ての課題・問題を解決したのではありませんが、同マンションは確実に良い管理に前進しています。何故か?それは「自分達の資産であるマンションは、自分達で守り、維持して安心安全な快適な生活を営もう」とする意識を全員が持って賃借人にも徹底して周知しているのです。その為に居住者全員で恒常的にマンションを見守り、常に課題・問題点を周知しているのです。適切な管理運営への一歩はそこから始まるのです。