マンション管理コラムColumn
管理組合運営
コラム:新理事による「理事会運営」のポイント
マンション管理における新旧理事の引き継ぎ後、以下に素早く新理事会を動かすか。総会決議事項の内容を実施していくうえでの大きな鍵となるのが、新理事の総会決定事項の「内容把握」です。前年度理事は総会が成立し、事業内容も決まった「ヨシ!今年の理事の仕事は、終わった~!」となりますが、総会の議事は引き継ぎではありません。項目の説明と、了解をいただいたに過ぎません。管理組合活動の運営をスムーズに行うための「活動当初」のポイントを考えて見ましょう。
概ね、総会終了後理事会の活動は1~2ヶ月は、時間だけが経過してしまうことが多いと思います。出来るだけ早く理事会の活動を行わなければ「時間切れ」となり、実施の準備が出来ず事業の成果が十分得られない事が起きてきます。
以下に3つのポイント(内容を確認し、スケジュールを立てる・記録する・報告、連絡、相談する)を記載しますのでみなさんで確認してみてください。
1. 新年度事業内容の確認
1-1.修繕・植栽・備品購入等の金額や内容について精査を行って見ましょう!
○予算作成時の見積書・仕様書(見積条件書)等をチェック
○管理組合の要求内容を精査し、抜けや過大事項が無いか等チェック
前期役員が決めたことをただ実行すれば良いと考えないでください。
短い期間での予算作成ですから、新役員が内容など見直ししても良いのです。
陥りやすい間違いは「安いのが一番」という発想です。「安物買いの銭失い」と
ならないようにしなくてはなりません。
1-2.事業計画の具体的スケジュール作成
○実行される事業が同一時期に重複していないか
○時期として適正か(梅雨・猛暑時期を避ける必要は?)
等を考えるためにも「スケジュール表」を作成し「ビジュアル」に管理することが必要です。
1-3.事業ごとに活動責任者の任命
総括責任者は「理事長」ですが、他の理事の役割を明確にして事業を実行してください。
限られた理事だけでは活動の「停滞」と「不協和音」を生む可能性が高いです。理事会の運営上、
特別の事情が無い限り各理事が責任ある行動が出来るように考えて見てください。
2. 議事録
2-1.議事録の作成・保管
管理組合によって「管理会社」に委託し作成していることもありますが、議事録は、管理組合の活
動記録で有り、対外的な資料となるものです。
理事会の議事録は、区分所有者や外部の利権者からの閲覧希望があった場合は、閲覧させなけ
ればなりません。議事録の作成と保管は必ず行ってください。また、議事録の保管場所も明示する
必要があります。
但し、勝手に見て良いものではありませんので必ず「鍵の掛かる保管場所」を確保してください。
高齢化が進むと議事録作成に必要な「パソコン」を使えない理事も出てきます。自主管理の場合は、
理事以外に依頼することも考えておかなければなりません。
また、管理会社が作成している場合においては、管理組合理事が必ず議長と指定署名人が確認し
たうえで自筆の署名と押印をしてください。管理会社が作成しているから「大丈夫」とならないよう
にしてください。
2-2.会議開催通知の発行
理事会の効果的運用のために、議案を事前に明確にしておきましょう。また、説明者も決めておき
ましょう。
例:当月の管理状況報告(建物・設備・入退居者・クレーム)
収支報告(管理費・修繕積立金などの収支状況・未納状況)
居住者からの要望
年度事業の実施計画状況(予定・実施進捗状況等)
理事間の意見交換 等
3.広報活動
とかく「理事会は何をしているのか、分からない」という話を聞きますが、どういうことなのでしょう。
きちんと定例会議は行っているのに?何言っているの「総会で決まったことを、やっているんだから
解っているでしょう!」となっていませんか。知りたいと思っている組合員もいますし、知ってもらって
誤解を生まないようにする事の方が良いと思います。
例:理事会開催案内(議題も記載)
理事会の報告(プライバシーに配慮)
要望・意見・クレームに対する回答など
掲示の場合は、不特定多数の外部者が目にすることもありますので、記載内容に配慮が必要です。
また、緊急性の高い内容の場合は、全戸配布が良いと思います。
広報の大切なことは「知ってもらって」「協力してもらう」と言うことだと思います。
理事会運営がスムースに行きます事を祈念いたします。
NPO埼玉マンション管理支援センター