マンション管理コラムColumn

管理組合運営

第62回外部管理者方式(管理業者管理者方式)について

第62回外部管理者方式(管理業者管理者方式)について

【設問】
外部管理者方式(管理業者管理者方式)について

【回答団体】
・NPO埼玉県マンション管理組合ネットワーク
・NPO埼玉マンション管理支援センター

 


【NPO埼玉県マンション管理組合ネットワーク】

  1. 管理業者管理者方式とは
     近年、役員のなり手不足等により、管理業者を管理者として選任する管理組合が増加しています。また、新築マンションでは、管理業者が管理者に就任することを前提とした分譲事例も出てきています。このような「管理業者管理者方式」は、マンションの管理形態の一つであり、管理業者が管理事務を受託することに加えて、区分所有法にいう「管理者」を管理業者から派遣し、多くの場合、理事会を廃止するというものです。理事会が廃止されることにより、管理組合は管理者(=管理業者)が策定した方針や議案を対象として総会で意思決定を行うことになります。
  2. メリット・デメリットと留意事項
    管理業者管理者方式は、役員のなり手不足を解消できる等のメリットがありますが、デメリットに十分留意し、適切な対応策や歯止め策を講じておく必要があります。
    令和6年6月に国交省が公表した「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」という。)では、次のようなメリット・デメリットが挙げられています。

<メリット>

・区分所有者の負担軽減につながることがあり、管理者(役員)の担い手不足の解決策となる場合があること
・管理業者が日々の管理事務とともに管理者業務を担う体制となり、専門的知見に基づく、機動的な業務執行が期待できる場合があること 等

<デメリット>
・管理者の報酬を支払うことに伴い管理組合の支出が増大したり、管理組合と管理者との自己取引やグループ会社との間における利益相反取引を通じ、管理組合と管理者の間における利益相反が生じたりする可能性が高まること
・必要な範囲を超えて管理者権限が強くなることで管理者に対する監督が弱まったり、管理に対する区分所有者の関心の低下につながったりするおそれがあること
・規約の定め方によっては、理事会方式に戻すことを希望する場合に、これが困難となる可能性もあること 等

【デメリットへの主な対応策】
デメリットに対処するため、次のような具体的な対応策が挙げられます。(詳細はガイドラインを参照してください。)

□利益相反取引への対応
管理業者管理者方式における最大の留意点は管理者の利益相反の問題です。各種工事の発注等において、発注者たる管理者と受注者たる管理業者が同一人物となるため、それぞれの立場の利益が相反する構造的な関係が生じ、利益相反取引となる可能性があります。(※利益相反:ある行為が、一方の立場では利益になるものの、他の立場では不利益になること)
この対応策として、ⅰ)総会で承認を得た金額以上の支出を伴う取引や自己取引及びグループ会社との取引等については、総会において承認を得る、ⅱ)利益相反の恐れがある場合は、区分所有者への事前説明を義務化する(違反した場合は業務停止命令の措置等)、ⅲ)大規模修繕工事には原則として管理者は関与せず、修繕委員会が主体として検討する、等が挙げられます。

□監事等による監視力の強化
管理業者管理者方式では、利益相反問題に加え、理事会役員どうしによる牽制や監視機能が弱くなるため、監事等によるチェック機能が不可欠になります。ガイドラインでは、ⅰ)監事のうち最低1名は外部専門家(マンション管理士、弁護士、公認会計士等)から選任する、ⅱ)区分所有者からも監事を選任する、ⅲ)管理者は監事に対し、業務状況や管理組合の収支状況を定期的に報告する、ⅳ)管理組合財産を管理する預金口座の印鑑等は監事が保管する、等の対応策を挙げています。

□理事会方式に戻す場合への対応
管理規約変更時に管理業者の名前を記載しないこと等、理事会方式に戻す場合に備えた措置を講じます。

 3.管理形態の検討と区分所有者の責務

管理業者管理者方式などの管理形態を検討する際は、理事会メンバーだけでなく、説明会やアンケートを実施するなどして、出来るだけ区分所有者全員で議論・検討しましょう。管理者には管理業者ではなく、外部の専門家を選任する方式もあります。複数の管理業者や外部の専門家から見積りや提言を受け、比較検討することも有効です。限られた人材や予算のなかで、自分たちのマンションに最適な管理形態を選ぶためには、区分所有者が協力し、慎重に検討を重ねることが必要です。

マンション管理の主体は区分所有者で構成される管理組合です。どのような管理形態を選択したとしても、区分所有者は、各自の専有部分だけでなく共用部分や敷地等に関する所有者としての責任を免れることはできません。自分たちのマンションは自分たちで守ることが基本です。このことを区分所有者一人ひとりが認識し、管理者(=管理業者等)に任せきりにするのではなく、定期的な情報共有や住民参加等を促進することで、しっかりした監視・監督体制を築くことが大切です。


【NPO埼玉マンション管理支援センター】

『大規模修繕工事は、だいたい10年から15年ごとに行う必要があります。これは長期修繕計画でも決められていることです。この期間でやることで老朽化を防ぎ、資産価値の低下を防止することにつながります』この言葉に惑わされてはいけないのです。この言葉を懐疑的に管理組合(理事会・修繕委員会)にて論議することが保全・維持管理の削減策の第一歩です。
マンションの管理は自分達がプロフェッショナルの意識で、その工事が必要であるか不要であるかを見定めて、重要性と緊急性を掛け合わせて優先順位を決めなければなりません。その決定権とイニシアチブはマンションに居住している皆様と代表者の団体の管理組合です。即ち自分の資産と維持保全は自分たちが主体となって守るのです。

多くの方は「マンションの寿命を大きく伸ばす工事で資産価値の保持に効果がある」と思われるのではないでしょうか。然しこれは本当の意味で言う大規模修繕工事ではありません。本当の大規模修繕工事とは、「耐震補強工事」「給水管補修・更新工事」を指すべきなのです。
一般的に巷間で言われている「大規模修繕工事」では、下地補修、防水シーリング工事、外壁の塗装、外壁タイルの補修や洗浄・貼替、屋上およびバルコニーの防水工事、廊下・階段床の改修工事や化粧防水工事などを行うことです。即ちこれ等の工事は「建物の御化粧(お色直し)の工事」なのです。従ってそれらをやらなかったとしても建物を倒壊の危機に瀕するものではありません。
現実に行われている大規模修繕工事は、「修繕積立金」という、業者にとってこの上ない「絶対!掘り当てることできる埋蔵金」を目当てに、不要不急な工事や過剰とも思われる工事内容の見積を提出し、より高額な大規模修繕工事を受注することが目的です。管理組合の立場でマンションのために本当に必要な工事や、資産価値を高める工事を適正な価格で提案し、修繕積立金を使い切らない様に配慮してくれる会社(管理会社、コンサルタント会社、施工会社)なら良いのですが、なかには大規模修繕は管理組合のためでなく、工事を受注する業者のためにある様な現状が少なくないのです。

『マンションは専有部分の集合体であることを日常管理の取り組み方としてその重要性を再認識しなければなりません』
ライニングコストの削減は、日々の観察が重要です。自主管理のマンションは「マンション内の観察探検隊」を組織して定期的に巡回して其れを記録して保全・維持管理の台帳を作成することです。人間の病気カルテと同じです。管理会社に委託しているマンションは、管理会社に委ねるのではなく、管理会社と共に常に検査をしていく姿勢が大事です。其れが不要不急な工事を無くし修繕積立金の経費の削減に繋がります。

1.長期修繕計画と大規模修繕工事の削減策
保管口座である修繕積立金は、企業会計で言えば「社内留保金」です。その留保金を15年~毎の大規模修繕工事にて枯渇状態にならない支出を先ず優先することです。
・長期修繕計画にて予定されている工事の優先順位を論議する。
・設計コンサルタントが提示する工事内容及び概算工事予算額の根拠の説明を求めて、理解し承認するまで次のステップに踏み出さない。
・大規模修繕工事の実施について、延期という選択肢も検討する。
・借入による大規模修繕工事は検討しない。此れは、修繕積立金の値上げにほかならない。
・恒常的な維持保全工事を施すことにより、建物が延命する意識を持つ。
・建物チェックシートを作成して組合員による定期的な巡回確認をする。
・マンションは専有部分の集合体の意識を持ち、他人任せにしない。

2.一般管理会計の削減策について
収入と支出のバランスが適切か確認していく事が、削減策の第一歩です。
・余剰金が年々減額していませんか?
・次期繰越金が年々減額していませんか?
・管理費会計の維持保全(小修繕工事)費の支出は適切ですか?
・駐車場等の使用料が管理費支出の原資になっていませんか?
・専用庭使用料の使い道を理解していますか?
・6ヵ月以上の滞納者の割合が10%を超えていませんか?
・マンション総合保険の更新時に組合員全員で検討していますか?
・管理会社との管理委託契約の業務内容と業務範囲を確認していますか?
・設備(排水管の洗浄・専有部内の火災感知器・バルコニーの避難器具)等の検査は100%実施していますか?
・上記の検査を2年以上していない住戸があるマンションは、設備の劣化が潜在的に進行しています。
以上の留意点に注意することが、一般管理費会計の削減に繋がる一歩です。

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