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コラム:管理会社からの一方的な管理費値上げへの対応

コラム:管理会社からの一方的な管理費値上げへの対応

近年、マンション管理会社が、いきなり管理委託費の値上げ要請を迫って来る。また、一方的に管理委託契約更新辞退のケースが増えています。

解約理由は、「人手不足で良質な管理が出来ない」との事情があるようです。
今迄、管理会社は受託物件の拡大にのみ邁進し、企業買収・合併などを活発に行って参りましたが、今後は、受託組合数の増加のみにこだわらず、採算が取りにくい管理組合に対して、差別化しサービスの向上を図って行こう。と路線変更を余儀なくせざるを得ない時代に突入して参りました。まさに「苦渋の決断の変換時」です。管理員業務ひとつを取ってみても、従来からの誰でも良いから雇って管理員に充当させると言うことでは許されません。

収益採算の取りにくい小規模なマンション管理組合に対し「管理費値上げに同意下さい。値上げが無理なら解約させて下さい。」と言うのが、どうやら管理会社の実情のようです。

その原因として、アベノミクス働き方改革で定年の延長があげられます。
今まで60歳定年制で企業を退職した人が、マンション管理員に就業するケースが多かったが、企業が其の儘再雇用若しくは定年延長で本人の希望により65歳まで働けることになり、其の儘同じ会社に就業する人が多くなりました。
この現象が管理員の成り手不足に陥っています。また、現在勤務している管理員の給与の値上げ、代替要員の最低賃金の値上げ、フロントマン給与の値上げなど、人件費の高騰も一要因です。

さて、ここで管理会社から一方的に管理費の値上げを提示されたら、管理組合としてどの様な対応をすれば良いかを改めて考えて見ましょう。

1 管理仕様の見直し(時間を短縮)や付帯設備の維持管理を直接発注する。
2 現状仕様での他社からの見積りを取り、競争原理を働かせて比較検討してみる。
3 自主管理にして、管理会計、ゴミ出し、清掃を自分たちで行う。
などが考えられます。

「マンション管理の主体は組合員です。区分所有者自身です。」
管理組合の将来に向けて、管理費の支出・使途、修繕積立金の中味を吟味・見直をし、管理組合自身で適切な支出かどうかを精査することが重要です。
「管理会社に任せておけば良い」と言う考え方では今後は通用しない。管理の在り方を見直すという時代がやって参りました。

◎ マンション管理適正化法第3条に定める適正化に関する指針 五では、「マンション管理士制度の普及と活用について」の項目があります。
マンションの管理は、専門的な知識を要する事項が多い為、国、地方公共団体はマンション管理士制度が広く利用できるよう情報提供に努めることが必要であると謳ってあります。
管理会社から一方的に、管理費値上げや契約更新辞退などの通告があり、困惑している管理組合があれば、NPO法人埼管ネット等、専門的機関にご相談下さい。親切、丁寧にご相談させていただきます。

以上

埼管ネット マンション管理士 土屋公司

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